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【転載】 Vol.19 大晦日に食す『椎茸の煮しめ』
十勝において『おせち』は大晦日に食べるもの。この風習を知ったときは少し驚きました。おせちはお正月に食べるもの。新年を祝うためのもの。それを前日の年越し前に食べてしまうなんて。でも、郷にならって大晦日の晩におせちを食べてみると、知り得たことも多かったです。
そもそも、大晦日の晩は忙しがった年末の作業も終わり、気分的にはのんびりモード。比べて元日の朝は寝不足なことが多く、加えておせちやお雑煮の用意で割と忙しい。そう考えれば、大晦日の夜に食べるおせちは、作る人にとっては優しい風習。案外、新年を祝う気持ちも、大晦日の晩の方が大きかったりもします。そして、おせちのレパートリーの幅も増えました。作ったその日の夜に食べるので、生食のものも用意しやすく。つまり、大晦日に食べるおせちは良いこと尽くめだったと言うわけです。
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僕のおせち作りは30日の昼からはじまります。乾燥椎茸を器に入れ、水に浸して冷蔵庫で24時間待ちます。24時間経ったら、もどし汁は鍋に移し、もどした乾燥椎茸は足を切ってから鍋に入れます。
味付けは砂糖、味醂、醤油は少々。鍋を火にかけ、灰汁を取りながら沸騰しないように煮ていきます。1時間ほど煮込んだら鍋を火から下ろし、粗熱が取れたら出来上がりです。
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甘い味付けなので日持ちも良く、次の日でも問題なく食べることができました。出汁が決め手となるおせち料理の中でも、味付けとしての出汁は入れませんでしたが、乾燥しいたけ由来のグアニル酸と呼ばれる旨味成分が良い仕事をしてくれました。子供たちにも人気の一品です。
大晦日に食べるおせち。夜なので、あとは寝るだけ。気兼ねなしに食べられるのが良いところ。ちなみに、汁物はお雑煮ではなく年越し蕎麦としています。