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マーケティング施策の企画、施策を見るうえで考えていること。


〇企画、施策を見るうえで考えていること。

前回の note では、私たちサイボウズにおいてマーケティング施策を実施する場合、まずはやりたい人が手を挙げる、というのを述べました。今回は、そうした施策の企画書の要素や、企画書のどんなところを見ているかに移ります。

〇マーケティング系施策の企画書にはどんなものがあるか?

サイボウズのビジネスマーケティング本部(BM本部)内では、いろいろな分野、粒度の企画があります。、もちろん私が見られるのは全部ではなくて、一部の企画や施策のみ確認になります。

本部長として私が見ているのはだいたいはこんな感じの企画書です。

1.プロダクトマネージャーの作成する年間マーケティングプラン
 マーケティング活動の(マーケティング活動の4P含む)全体プランです。
2.各製品のプロモーションチームが作成する年間プロモーションプラン
 プロダクトマネージャーのマーケティングプランに基づき、特にプロモーション活動についてのプランです。
3.大型個別プロモーション施策の企画書
 ある一定金額以上の大型施策については個別に企画書を作ります。
4.その他、場合により各メンバーの年間プランや個別施策企画書

企画書についてはこの10年くらいでいろいろな形式で作られてきました。一時期はがっちりフォーマット化しようと思いましたが、企画によって強調したいポイントが違っていて若干難しいところがあり、細かくは決めていません。
が、いろいろ質問したり続けていく中で、次のような要素の全部または大半を含む企画書に収れんしてきました。

〇企画書の要素

・達成したいこと
(〇〇という施策を実施し、△△の効果を得たいです、というシンプルな記述)
・ぼやっとした問題意識
・事実情報(市場、競合、自社)
・どのようなフレーム、戦略で理解するか?
・コンセプト(ターゲットとバリュー)
・成功のイメージ(どうなったらこの施策は成功なのか)
・予算
・スケジュール
・人員体制
・他本部への依頼事項があれば

企画書の要素としては、ざっくり上記のような要素がありますが、もちろん企画内容によって全部網羅してもらうものもあれば、一部省略されるものもあります。

大まかに言うと、年間プランや大型施策プランなどは、比較的すべての項目を抑えてもらうことが多いですが、大きくない施策の場合は実現したい内容が決まっていて、いかに実現するか、みたいな実行プランになることもあり、その場合は一部省略されるものがあります。

また、各施策では実際にはいろいろ指標などが設定されることもありますが、そこは実施する担当の方やチームにお任せしていて、企画書の方ではあまり触れません。経験的には、ある施策単独で大きく結果が出る、というよりはいろいろな施策との相乗効果で効いてくるものが多い印象です。ゆえに、あまり緻密に数字を組み立てる、というわけでもありません。

〇企画書のどこをどう見るか?

これは、あくまで私が経験的にこのあたりをよく見ています、という話でしかないのですが、比較的「ぼやっとした問題意識」と「どのようなフレーム、戦略で理解するか」あたりを味わうようにしています。

「ぼやっとした問題意識」
もちろん、企画案を作っているメンバーの方にとってはボヤっとしているわけではないのですが、そもそもこの企画、施策をなぜやりたいのか、というのは、比較的ぼやっとした問題意識から始まっていることが多いように思います。構成要素しては「そもそもの背景」「問題だと感じていること」などがあります。

で、ここを重視している理由としては、この部分の問題意識や背景によっては、結構検討のスコープが広くなったり、狭くなったりするため、なるべく言語化して範囲を明確にしたいのと、逆に今回の検討範囲に含まれないものは何か、あたりを明確にしたいと思っています。

ここがある程度言語化できていると、コンセプト(この施策はどんな人たちにどう言ってもらいたいか)がよりクリアでわかりやすいものになると考えています。

「どのようなフレーム、戦略で理解するか」
個人的にここは、対象に対してどうアプローチするか、どういう結果を得たいか、を図示したものとして考えていて、二軸で表現される方も多いですし、ファネル的?なもので表現されるかたもいらっしゃいますし、そのほかの表現をされる方もいらっしゃいます。

この部分は、対象(ターゲット)との距離の取り方とか、何をどう進めていきたいのか順番が記載されているものも多い
ので、どう進めたいのかを知るうえでよく見ています。

〇アドバイスというよりは質問をする

さて、一応、本部長という立場ではありますので「レビューお願いします」という形で相談いただくのですが、基本的には、何を目指すか何をしたいかについては、あまり言うことはなくて(^-^;、企画書に含まれている要素が足りているか、ロジック的に無理はないか、そのあたりを中心に見ています。

で、アドバイスをするのか、というと(しているかもしれないが)感覚的には質問をする、という感じで臨みます。すみません、前回の note で書いているように私が微妙と思っても大当たりしている施策などいろいろあって、正直なところ、施策の方向性について何かを言える自信がないです。。。

どういうロジックでこの施策の企画を考えたかとか、この施策でどこまでの範囲を実施したいのかだったり、施策のターゲットにはどんな人たちは含まれていて、どんな人達は含まれないのか、だったりそのあたり中心に質問していると思います。

マーケティングの施策として実施するものは、基本的には自分の責任範囲というか、自分の施策ととらえて、極力理解して社内でも説明したいですし、何か問題があったら自分事として対応したり、場合により謝ることができるように、と考えて自分の腹に落とすための質問をするイメージです。

このようにして、どんな人たちにどんなマーケティング施策を実施したいのか私なりに理解出来たら、まずはやってみてもらう、ということにしています。

〇施策の始まり

施策の内容にもよりますが、まったく新しい施策は比較的小さく始めてもらって反応を見る、ということをお願いすることが多いです。まず、方向性、メッセージの「あたり」を付けてもらって、これで行けそう、という方向性が見えてきたら次のより大きな施策につなげていく。

実際のところはいろいろな展開があって、そういったプロセスでうまく行く施策も多数ある一方、想定外の結果に至り「まじか、、、」みたいになることもたまにあります。また、テストしたのち、第1弾の大型施策では成功するものの、第2弾では微妙な感じになったり。。。

まあ、いろいろあります。そんなこんなを繰り返しながら、より成功する確度の高くなりそうな学びをチームで蓄積しています。

10年前あたりは、施策の打ち方もあまり確立してなかったので、個人の所感ですが結構「起死回生の一発狙い」的な施策もあったような気がします。で、見事に微妙な結果になって、さすがに怖くて社長の青野さんに施策の存在すら言えなかったり、、、ということがありました。すみませんでした。


今日は簡単ではありますが、企画を見る、というときに考えていることを書いてみました。

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