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【読書ノート】「考える技術」と「地頭力」がいっきに身につく 東大思考
本日読んだ本はこちら。多くの東大生に共通している「5つの思考回路」について解説した本です。暗記しなくても記憶できる、話を簡潔にまとめられる。人にうまく話を伝えられる。他人が思い付かないアイデアを生み出せる。難解な問題を解決できるって、、、ほんまかいな。
作者は東大へ行く前は偏差値35、2浪を経て東大に合格します。2浪が確定したときに東大にいけるような人たちに話を聞きまくり、頭のいい人の思考法をパクりまくったそう。この真似っこ型は、私も効果があると思います。というのも、私も日本で学習塾の講師をした経験がありますが、難しい問題を教えるよりも、自分が問題なく解けた簡単すぎる問題が理解できない生徒に教える方がずっと難しいと感じました。だからこそ、私たち凡人がどうして問題を解決できないのかを、それを乗り越えた経験者が教えてくれるのはありがたいです。
たとえば年々厳しくなる記憶力。コツは覚えるべき事柄を身の回りのことと関連づけたり、その事柄が誕生した理由を探ったりするといいそう。そのためには必要なのはたとえば原因思考。たとえば「なぜ日本は開国したの?」。ペリー来航を闇雲に1853年(凡人代表の私は「イヤ、ゴミだからそれ」と語呂合わせで覚えました)と覚えるよりも、クリミア戦争まで起こったヨーロッパの緊張が高まっている最中に、アメリカが「今のうちに!」と日本に焦点を定めた、と理解すれば、世界史におけるいろいろな事件をつなげて覚えられます。
原因と結果だけでなく、背景そのものを理解することも大事。ペリーが来航した19世紀ってそもそもどんな時代だったの?と目を向けることによって、重要な情報が見えてきます。そういう流れを掴むと、その周辺の出来事をまとめて覚えられるわけですね。それが上流思考で、上流で起こる出来事が派生して下流には具体的な事件が溢れるので、そのすべてをつなげられると、違った世界が見えてきます。
もう一つ大切なことは、説明を上手にするためには、自分の知っている知識と新しい概念をつなげるスキルが大切。目的をしっかりと言葉にすることが第一歩と著者は言いますが、そのためにもやっておきたいのが、たとえ探し。目的を説明するための言葉、イラスト、例などを溜めておくといいそうです。アメリカ人はこのへんがとてもうまくて、別の例に例えて(アナロジーと言います)聞き手の興味を引いたり理解を深めたりします。私も「これは後々使えそう」と思うものをノートに書き溜めておこうと思いました。
あと、視点をマクロとミクロとそれをつなげるものとに分けて考えるものおもしろかったです。地方の人口が減っている、という事実は「原因は?」と考えればミクロになるし、「背景は?」と考えればマクロになります。それをつなげる言葉、たとえば「少子高齢化」、が見つかれば、それが本質であることが多いそう。
数々の手法が紹介されていましたが、そのすべての目的は、
世の中のことに疑問を向け、上流を探し、目的を考え、裏側を見て、本質を捉えようとする、能動的な行為
だそうです。昨今の教育現場では「アクティブ・ラーニング」なんて言葉が流行していますが、学びとはそもそもアクティブなものなのですよね。著者は「学ぶこと=生きること」をモットーに、熱く東大生の思考法を紹介されていました。読書が大好きなわりに、読んだ後に「へ〜」の一言で満足してあっという間に内容を忘れてしまっていた私ですが、最近は読んだ内容を自分の知識とするためにアウトプットを始めました。今回の東大式考え方でもアウトプットの大切さが説かれていて、私が始めた習慣が肯定されたように思い、ほっとしました。そして要点をまとめてアウトプットできるようになったら、背景を調べたり、別の例に思いを馳せたりと、本質を探る旅にも出れるようになったら、、、その先に見える世界を考えただけでワクワクしますね。
娘たちにも読んで聞かせたいと思わせた本でした。
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