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【読書ノート】もう内向型は組織で働かなくてもいい

「上司や同僚との人間関係がうまくいかない」「雑談や会議が大の苦手」「何をするにも時間がかかり、周りのスピードについていけない」「電話や人の声が気になって、仕事に集中できない」。こんなことで悩んでみるみなさん・・・お仲間です!

世界文化社出版、堤ゆかり著「もう内向型は組織で働かなくてもいい」を読みました。読書の秋2021課題図書はこの1ヶ月数多く読んできましたが、この本を最後のほうまでとっておいた節があります。どうしてかというと、この「内向型指南」は私の永遠のテーマで、本だけでなくゆっくりと自分自身と向きあいながら読みたかったから。

私はこれまでいろいろな性格診断のようなものを受けてきましたが、どの診断にも決まって入っているのがこの「内向型」。おそらくもっとも有名な診断がこの16Personalitiesテストかと思います。

こちらでの私の診断結果は、ISTJ。建築家とされているこの性格の特徴はこちら。

この上なく孤独、そして最も希少で戦略に長けている性格タイプのひとつで、建築家型の人達自身、これをすべて痛いほど感じています。全人口のわずか2%を占めていて、特に女性が珍しく、全人口のたった0.8%です。自分と同じ考えを持ち、その飽くなき知的追求心や、まるでチェス試合のような駆け引きについていける人を見つけるのに苦労することが多いのです。想像力が豊かな一方で決断力があり、野心に溢れている反面、引っ込み思案で、驚くほど好奇心がありますが、エネルギーを浪費しません。

最初に「この上なく孤独」とか言われてるし(笑)。ちなみに私は79%内向型と出ています。

この本にも内向型診断テストがあり、私は「まあまあ内向型」、そして「ひとりの時間が元気の源」と診断が出ています。詳しくいうと、自分自身をコントロールできる ・孤独感を抱きにくく、集中力がある ・人に依存せず自立性が高い ・体調や感情の調整が得意、だそうです。まんまですよ、予想どおり。

堤さんは、私が「内向型」の診断を受けるたびにちょっと不思議に思う部分を解説してくれています。

だからといって、「内向型はみんな人見知り」というのは決めつけです。「自分は社交的で、人と話すのが好きで接客業をしている。そのせいか、『内向型』と言っても信じてもらえない」という内向型の方もいます。

そうそう、私は人と話すのが好きで、飲み会の場面とかで本領を発揮したりします。お笑いを見るのも大好きだし、友達の間ではけっこう笑いをとりに行くタイプ。でもね、、、そう、疲れちゃうんですよ。そういう飲み会の最後の方では笑顔が引きつるほど疲れ果てていることがよくあります。

堤さん曰く、内向型と外向型には4つの違いがあるそう。

1:刺激の容量(内向型は外向型に比べて刺激を敏感に感じとる)
2:元気になる方法(内向型はくつろぎや休息が必要)
3:好きなこと(内向型は深いところまでじっくり内省・熟考する)
4:情報処理のスピード(内向型は外向型に比べて情報処理に時間がかかる)

これらを見ると、気づくことはありませんか?

改めて「 内向型と外向型の4つの違い」を読み返してみてください。 「内向型の特徴そのものは、対人関係と直接的な因果関係がない」 ということに、お気づきいただけたのではないでしょうか。

なるほどね〜。内向型だから人と話すのが嫌い、なんていうのは、かなりの偏見ということですね。

堤さんのカウンセリングの経験によると、これらの4つの違いのうち、特に4つ目の「情報処理のスピード」に関してコンプレックスを感じている内向型が多いそう。なかには、「自分は頭が悪いから」と決めつけたり、「脳機能に障害があるのでは」と不安になったりする方もいるとのことで、これにも共感しかありません。人から話を聞いてすぐに理解して自分の意見をバンバン言えている人をみて、何度劣等感に苛まれたことか。

でも何事もじっくり考えられる、人の話を聞ける、など、私たちには内向型なりの強みがあるのだから、それを活かせるようにシフトするのが大切です。堤さんは「そんなことばかりにエネルギーを使わず、自分の良さを伸ばそうという気持ちに切り替えられていたら」と過去の自分を思い返すそうです。確かに〜。

アメリカはもちろんそうですが、日本でも組織という設定では外向型がもてはやされる傾向があります。

企業が人材に求める人物像」の第3位が「外向性」 という結果が出ています(求人情報・転職サイト『doda』連載「採用担当者のホンネ─中途採用の実態調査」より。ちなみに1位は「積極性」、2位は「柔軟性」です)。  多くの会社が外向型の社員を好み、外向性を良しとする風土が根強いことは明らかです。

ふぅ・・・大きなため息。自分の強みを活かせるように、内向型の強みを活かして発想の転換をすることも大事ですが、個人的には外交型の仮面をかぶるのもいい案だと思います。自分を外向型に変えようと無理するのではなく(おそらくそれは現実的ではないし)、自分は自分だけど、仕事上の場面によってはとりあえず外向型のふりをする、みたいな。

スーザン・ケインさんの書籍「Quiet: The Power of Introverts in a World That Can't Stop Talking」は内向型の私たちのバイブルですが、スーザンさんがその辺のことを詳しく書いてくれています。TEDTalkでのスピーチもすばらしいので、ぜひ聞いてみてください。


堤さんが提案するとおり、表面的なトーク力を鍛えるよりも、考えをまとめて言語化する練習を続けて内向型の強みを出す、のような努力をしていれば、ついてきてくれる人はたくさんいます。

あと、内向型の特徴である自己分析力も有効活用するのがいいですね。

「失敗するかも」と不安になっているときは、内向型の武器である「考えられる力」がマイナスに働いている状態なのだととらえてください。

そうそう、自分が考えすぎる性格であることを認識し、そのせいで無駄に不安を掻き立てているのでは?と、認知の歪みを見つけるべく、自分に問いかけ続けることは内向型にとって大切なステップです。

たとえば、「あの人は私を嫌っているに違いない」と相手の気持ちを勝手に決めてしまったり、褒められたけど、きっと社交辞令だ」と物事を悪いほうにとらえたりしてませんか?はーい、してまーす!

この書籍の最後のほうは、タイトルの通り、組織で働かなくても済むように、いろいろなステップが紹介されているので、それが目標の方には役立つと思います。私自身は組織で働き続けたいので、直接参考にはなりませんでしたが、堤さんのような仲間(←勝手に)がいると知れただけでも大収穫。堤さん自身もおっしゃっています。

内向型らしく生きるための第一歩は、自分を受け入れてくれる人を見つけること。 家族や友だちでもいいし、SNSで内向型仲間と繫がってもいい。一人でもそういう人が見つかると、それだけで「私は私のままでいいんだ」と思えるようになります。

私は私のままでいい。なんて心地よい言葉でしょう。内向型の私はその言葉を何度も何度も思い返し、胸に抱いて、組織だけでなく、生きづらい場面が多々ある社会でも、果敢に挑戦に取り組んでいくのです。


#もう内向型は組織で働かなくてもいい


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