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手のひらに大樹を

盆栽、とは。

数年前から小さい盆栽を育てている。
旅先の道の駅とかでついつい買う癖がついて、いま庭には10鉢くらいある。

全部違う樹で、買った時期もばらばら。
紅葉する樹もあれば、常緑もあるし、花や実をつけるものもそうでないものもいる。

共通しているのは、どれも日本の野山に自生する種ということ。
そして、長くても数年で枯れてしまう草花とは違い、何十年も生きる樹であるということ。

盆栽というと、枝ぶりの立派な松を連想する人が多いと思う。
私はまだ松は持っていないけれど、ミズキ、モミジ、ツツジ、ケヤキなど割とよく聞く名前の樹を育てている。

これらの樹は、栄養があって日の当たる地面に植えれば、普通の樹のように数メートル(ケヤキに至っては10メートル以上)にはなるものだ。
ただ一つの違いは鉢に植わっているということだけ。

要は、野山に生える樹々を小さいうちに鉢の中で育てることで、小さく(それでいて枝ぶりなどは自然の中にあるのと同じように力強い)観賞用に育てているということになる。

今わたしの手元にある樹々も、いつか地面に植えれば大きく、大きくなるのだろう。わたしはむしろ、いつかそうできることを夢見て育てている。

いつも、じっと盆栽を見ていると変化を感じる。
植物は瞬間的には微動だにしないけれど、わたしなんかよりよっぽど着実に成長している。

春は特に楽しくて、今日はミズキが咲き、明日はモミジの葉が開き、あさっては桜が咲く、って感じのめまぐるしさだ。
いい季節だな。

植物で一番大切なのは根っこだ。葉が枯れても、枝が折れても、根が生きていれば復活することが多い。

そして、大きく枝を広げる樹ほど、根っこもまるで地上の姿と対称になるように地下に腕を広げている。根っこの剪定をするために鉢から出すたび、いつも見とれてしまう。


盆栽のことであればいくらでも書けるのですが、今日はここまで。
最近買った椿に合う鉢がなかなか見つからないので、今度自分で作ってみようかなとも思う。

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