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光と影

前職時代の部下に「田村さんは光が大きい分、影も大きい」と言われたことがある。
同じ部下に、「田村さんは波が大きく、気を使わないといけないところが嫌だ」とも言われた。

こういったことを率直に言ってくれる人がいるのは有り難いことだ。

ゲーテもこんなことを言っていた。

「光が多いところでは、影も強くなる」

明るい人は、その裏側で多くの苦難を超えていたり、苦悩を持っていたりする。
ものすごい成功をした人は、その裏側に血の滲むような苦労をしていたりするのだ。

科学の世界では、陽子と電子は必ず同数生じるようになっている。
つまり、プラスの電荷とマイナスの電荷は同数なのだ。
これは、人間の心でも同じで、「自分にはできる」というプラスの思いが出てくると同時に、「本当にできるかな」という不安のようなマイナスの感情も出てくる。

そういうものなのだ。

ポジティブなだけの人も、ネガティブなだけの人もいない。

元部下曰く、僕は「ポジティブも大きい分、ネガティブも大きい」と。

確かに、波が大きい人は付き合いづらいというのは、よく分かる。

そこで、ここ最近の自分を振り返ってみると、一喜一憂しない人になっていると自覚している。
色々なことがありすぎて、ちょっとしたことで心が動かなくなっているわけだ。
嬉しい感情もそこまで湧き上がらない一方で、マイナス感情もあまり湧いてこない。

「まぁ、こんなものだよね」

という感じで、さらっと流してしまうのだ。

嫌味を言われても、「そういう人もいるよね」で流してしまう。
これは良いのだが、人から感謝されても、あまり嬉しいという感情が湧かなくなっているのだ。

年を取ったというか、おじさんになっただけかもしれないが、これで良いのかなと思っている面もある。

というか、静かなる感情といった方が良いのかもしれない。
30代前半までは、動なる感情だった。30代後半になって、静なる感情という感じになっているのかもしれない。

嬉しいという感情も、「嬉しい!!!!!」という飛び上がるようなものから、「嬉しいなぁ」というじわっとくるような感情になっているのだ。

そう考えると、これは成熟だなと思える。
人として、磨かれ、成熟したのだ。

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