遠い昔の話

【短歌/シークエンス】

 

現象としては確かに彼女から去って行った
ただどうして別れたのか
当時はよくわからなかった
なぜなら彼女は「自分がフラれた」と言っていた

24歳の僕は盲目的に彼女のことが好きで
彼女が本当に求めるものを理解していなかった
僕が彼女を受け入れてあげられなかった
そういうことだと思う

遠い昔の話

彼女を駅まで見送った帰り道
まだ大人になりきれない僕は
遠ざかる列車に乗る彼女を思い浮かべて
桜舞い散る川沿いの道を
ぼろぼろと涙をこぼし歩いた

 

くちびるの淡い紅色花に似て
過ぎゆく春に追いつけずまだ

 

tamito

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#詩 #短歌 #小説 #桜

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