民主主義国家の成れの果て 4
どうせアメリカはこういう国であるというのが、もはや率直な感想か。
イギリスでさえ棄権なのに民主党のバイデン政権でここまでネタニヤフの肩を持つのだから共和党政権ならもっと露骨だろう。だが今のイスラエルを助けることがアメリカの国益だと、アメリカ国民も思っていないのではないか?
イラクが大量破壊兵器を隠し持っているという偽の情報を国連で大っぴらに宣伝した挙げ句、安保常任理事国の議決を得ないままイラクに侵攻し、日本政府も恥ずかしいことに、アメリカの言う通りにそれを支持し、結果的に自衛隊の海外派遣につながった。
この時何度も言われていたのが、クウェートへのイラクによる侵攻に対して、日本はクウェートに莫大な金銭的援助をしたのだが、その殆どがアメリカを通じた援助になり、多国籍軍を編成してイラクを撃退した国際社会はその貢献を評価してくれず、クウェートの各国への感謝広告に、日本の名前はなかったという不満であり、今思い返しても、「なんとアホくさく、心が狭く、くだらない見栄で我が祖国は動いているのだろう」と、不思議に感じていたものだ。
いかなる戦争にも日本は武力参加しない。あくまで対話を重視するからこそ、日本は当然、軍事組織である自衛隊を送らなかった。その一方で、憲法の枠内で許される支援を行っていたわけだ。
私は思うのだが、なんで平和のための国際貢献をしたら、いちいち褒めてもらわなければ、気がすまないのだろうか? まるで幼稚園児ではないか。それで国の権威が保たれたり、国際的な価値が決まるとか、本当にどうでもいい。
そもそも他国が何を言おうが、日本は、戦争には関係したくないし、支援しないでもOKである。なんら外交的に有効に動けなかった日本は、ただ言われるままに金を拠出したわけだが、その貢献に対して、クウェートが、あるいは多国籍軍に参加した国際社会とやらが、名指しで褒めてもらえなくても、別に構わないではないか。 本当のところは、国連などの国際会議の場で話題に入れてもらえなかったぐらいだろうが。
その時寂しい思いをした反省とやらで、何の独自の情報源も持たない日本が、ただアメリカのいいなりで、真っ先にアメリカのイラク戦争に追随し、それ以降、すっかり平和憲法の主旨を忘れた日本は、集団的自衛権とやらに突き進み、軍事産業だけが喜ぶ、防衛費の増大へ向かうしか無くなったわけだ。
その流れをずっと引き継いでいるのが、今の自民党政権であり、統一教会との癒着も、日本全土を危機に陥らせた原発推進を続けるのも、核兵器を投下された唯一つの国が、非核3原則を唱えていながら、核の傘で守られているという理由で、国連の核兵器禁止条約に加盟さえしないのも、パー券キックバックによる裏金づくりという、政治とカネも、オズプレイの事故対策でもわかるように、対米従属にひたすら傾斜していったのも、国家の中枢である、閣僚や官僚が、出鱈目な答弁を繰り返し延々と言い逃れするのを、許してきたのも、この出鱈目な政治家と、政党を選び続ける日本という民主主義国家の国民の責任なのだ。
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