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2019 AppleのTier変更(App内課金価格帯改定)の話

2019/10/01 08:00
はじめに、この記事はゲームアプリ業界の人向けと、ゲームアプリ業界に関心のある人向けの共有のようなイメージで書いています。
今回のことの発端はこちらです。

★Tierとは?

業界以外の方にはちんぷんかんぷんだと思いますので、簡単に説明します。
Appleが提供するApp Storeでは、販売できる価格というのが決まっていて、商品をいくらで販売するかは、Appleが定める「Tier」という価格リストから選択する形式となります。https://www.equinux.com/us/appdevelopers/pricematrix.html

例えば、「この商品は6200円で売りたい!」と言っても、この「Tier」には「6200円」という価格帯がありません。

図1

そのため、近い価格にするなら「6000円」か「6800円」を選択せざるを得ない、というシステムになります。
そして、「じゃあ6000円にしよう」となったときに、「この商品は Tier50 です」という設定をApp Storeで行うんです。

★Tier変更とは?

この、Tierに紐付いている価格が変更されるということです。
先程の例でいうと、ある商品をTier50=6000円として紐付けて販売していますね。
それが、急に変わります

図2

2019年9月23日にAppleから発表された新しい価格帯リストでは、Tier50は6100円に変更されています。
つまり、今まで6000円で販売していたものを、こちらの意図などに関わらずAppleが強制的に6100円に変更してしまう、ということです。

他のTierも、だいたい20円~200円の範囲で上昇しています。
中には変更がないTierもありますが、3つくらいですね。

★Tier変更が行われる正確な日時は「わからない」

さぞかし厳格な案内が出て、変更日時が何日も前に発表されて、色んな会社が適切に対応する………と一般消費者は思うかもしれません。
Appleからの発表は、一番最初に載せた記事だけで、それ以上の情報は一切ありません。
Appleが各会社に発した情報は、「日本が10月から消費税アップするから、それに合わせて日本のTier変えるわ」だけです。マジです。あとさっき載せた新価格帯のリストだけ。
10月1日のJST 0時に変えるなんて一言も言ってないし、なんなら10月1日に変えるなんてことも一言も言ってない。Appleに問い合わせましたが、「それ以上の情報はない」と回答がきました。は?💢💢💢

なんなら、「日本のTierが変わる」という情報も最初に載せた9月23日の記事が初出です。
私のところにメールで案内が来たのは9月25日の朝2:30頃。

図3

消費税増税なんてずっと前から決まっていたし、5%→8%に上がった時はTier変更はありませんでした。
なのでTier変更があるなんて思いもしませんでした。
なんでこんな急に言うんじゃ💢💢💢💢💢
前回は「この発表から24時間以内に変えます」だったからまだマシといえばマシだけど…

★各社の対応

Tier変更は様々な問題が予想されます。
・決済がエラーになる
・アプリ内の表示価格と実際に決済される価格が異なる
・Androidや他プラットフォームとの価格統一
・前払式支払手段の基準価格が一時的に変わってしまう

など。アプリの設計にもよると思いますが…

会社ごとに方針は異なると思いますが、大きな会社ほどユーザーサポートの観点で問題が膨れ上がりますから、今回は「課金機能のみ9月30日夜からメンテナンス状態」とするなど、一時的に課金アイテムの販売停止を行うところが多いように見受けられました。

※ゲーム内のみ告知掲載しているタイトルも、追ってできるだけアップします。

★新規リリースタイトルで予め行うべき実装

私はシステム屋ではなく企画屋なので、細かい技術仕様はわからないのですが、またいつか起きるであろう突然のTier変更に対応できるように、最低限これは必要というものを洗い出してみます。

・ショップのみのメンテナンス機能
ゲームができる状態を維持しながら、ショップ(課金決済機能)のみメンテナンスを実施できる機能は必要そうです。
運営ツールなどで、運営担当者がすぐに非表示化できると良いと思います。
Android等との価格統一を同時に行う場合などを考慮すると、この機能は必須と思われます。

・Tierが変更されても正常に決済されるようにする
金額の照合をしない、本来はセーフティとなるべき機能を入れずに、Product IDのみで決済を通す仕様にするなど。
そもそも金額を参照できないのかもしれないですが…

・決済画面遷移時、特定の告知を強制的に表示する機能
Tier変更に関わらずですが、決済というのはセンシティブな機能の一つですので、こういった問題が起きたときに「課金をしようとしたすべてのユーザーに表示し、同意しないと先に進めない」機能を、初回だけではなく運営ツールなどでかんたんにいつでも設定できると良いと思います。
これにより、ユーザーサポートがぐっと楽になると思います。

・App Store側のApp内課金表示名と説明を汎用的な内容にする
App StoreのProduct IDに紐づくローカリゼーションに、金額や前払式支払手段の個数などは含めないほうが安全です。
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[NG] 表示名:コイン50個パック
[NG] 説明:コインパック50個を120円で購入します。
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[OK] 表示名:コインパックA
[OK] 説明:コインパックAを購入します。
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こんな感じ。
詳細な個数や価格は、ゲーム側の表示で制御しましょう。
業界内ではこうすることはもう当たり前になっていますが、念の為。
理由は、表示名の変更にも審査が発生し、それが通過しないと表示名が変更されないので、こちらの意図したタイミングでよーいどんでの変更が難しいからです。

※他に思いついたら追記します。

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たみこです。VTuberやってます。 ここはチラ裏(いにしえのことば)として使っていけたらと思います。

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