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Reviewers開発コンセプト|持続可能性のあるインフルエンサービジネスをつくりたい

はじめまして。株式会社スパイスボックスの田宮と申します。

半年間準備をしていた新しいインフルエンサーサービス「Reviewers(レビュワーズ)」を、12/3(月)にリリースしました。本稿では、開発担当者として、私たちがどのような思いで本サービスをつくり、(大げさにいうと)どのようにインフルエンサーさんとのお仕事の在り方を変えていきたいか、お話をしたいと思います。

結論を先に言うと、私たちは「インフルエンサーマーケティングに関わる人たちが、これまで以上に“3方よし”になる状態をつくりたい」と思っています。“3方”とは、インフルエンサーさん、インフルエンサーへお仕事を依頼する企業さま、そしてSNSを使っている一般生活者の方々を指しています。

企業の商品やサービスと一般生活者の公正な出会いをつくり、インフルエンサーさんが、影響力に応じた報酬をしっかりと得ることの出来るエコシステムをつくりたい。そして、インフルエンサーさんとのビジネスを、より持続可能性のあるものにしていく一翼を担っていきたいと思っています。


一般生活者がインフルエンサーに期待していること

本サービスの開発にあたり、まずは30名の一般生活者にユーザーインタビューを実施しました。目的は、以下の2点を明らかにすることです。

① 現代の消費者が、SNSをどう使用しているか?
② どのようにSNSからの影響を受け、そして商品を購入しているか?

統計データでは見えにくい“リアルな行動”を知るために、ユーザーインタビューという手法を採用しました。



今回の調査で明らかになった一般生活者の行動の中で、私たちが注目したのは、インスタグラムの使われ方の変化です。コロナの影響により在宅の時間が増える中、スキマ時間でインスタを立ち上げる頻度が増え、結果的に1日の利用時間が増えていると答える生活者が多く存在しました。

そこで何を見ているのか? というと、“発見画面”の閲覧に、より多くの時間を使っていることが分かりました。
(ストーリーズやホーム画面でのフォローしている人からの情報は、1日の早い段階ですべて見終わってしまうようです)

その中でも特に人気なのが、自身が関心のあるジャンルの「商品レビュー情報」です。さまざまな商品やサービスの、リアルな使用感や、使い方の工夫、日々のお悩みの解決策などが、インスタグラム上で沢山の人たちに閲覧されています。そして、そこで出会った商品を、一旦“保存”して、その後で実際に購入するという消費行動が、とても増えているようなのです。

 

そのような状況で、多くの一般生活者は、インフルエンサーに何を求めているのか? 一言でいうと「正直なレビュー」なのだと、私たちはとらえています。

次々と新商品が登場し、またEコマースが一般化したことで、生活者の購入の選択肢は無数に広がっているといえます。しかし当然、買い物に費やすことのできる時間もお金も限られているので、インスタグラム上で手軽に「商品レビュー情報」を辿る、“ウィンドウ・ショッピング”のような行動が、一般化してきているのだと思います。

そこで生活者が求めているものは、「自分と同じ目線で、自分の代わりに商品を試してくれている人のリアルな感想」です。正直で、リアルな商品レビューこそ、一般生活者が求めているものなのです。

その裏返しとして、これまで以上に生活者は、インスタ上の“ウソくさい”情報を、注意深く見極めようとしている点も、今回のインタビュー調査で明らかになりました。

インスタグラムはその黎明期には、“インスタ映え”という言葉に象徴されるように、非日常感のある投稿が好まれました。しかし、インスタが多くの人たちの日常に広がっていく中で、 “映え”のように作られた世界観だけではなく、「私にとって役に立つリアルな情報」を求める生活者が増えているのだと考えられます。

 

私たちが解決したいインフルエンサーさんたちの課題感

日々、自身のフォロワーとコミュニケーションをとっているインフルエンサーさんは、上述した“生活者のニーズ”については百も承知です。しかし、“生活者のニーズに正直に応えること”が、間接的にしかインフルエンサーさんの収益に繋がらないビジネスの構造は業界の大きな課題だと思いますし、解決したいと思いました。


今回、一般生活者だけでなく、20名のインフルエンサーさんにもお時間を割いていただき、色々とお話を伺いました。

インタビューを通して私たちが解決可能だと考えるインフルエンサーさんの抱える課題感は、以下の2点に集約されます。

①     収益源の1つであるスポンサード案件(PR案件)において、スポンサーからの指示やご自身の配慮から正直なレビューが出来ず、フォロワーからの信頼を失うリスクが伴うこと

② 実力(影響力)が過小評価され、報酬に反映されていないこと

 

1つ目の課題については、インフルエンサーとビジネスを取り組む企業側の多くが、インフルエンサーさんとの取り組みを“広告メディア出稿”として捉えている点に、原因がありそうです。広告主の立場からすると当然、“お金を払う方が発信する情報をコントロールできる”感覚をお持ちです。しかし、前述したとおり、少なくともSNSにおいては“コントロールされた情報発信”は生活者に見抜かれ、有益な取り組みになりません。

2つ目の課題については、インフルエンサーさんに対する報酬を「フォロワー数」で決める商習慣に原因があるのではないかと思います。生活者のインスタの使い方が、フォローしている人からの情報収集ではなく、発見・検索経由での情報収集がメインになっていく中で、フォロワー数だけではインフルエンサーさんの影響力を測れなくなってきているのが実態です。

発見・検索を通して、フォロワー外の人たちにも広く情報を届け、質の高い商品レビューによって生活者の購入の意思決定に影響力を持つ方が、「フォロワー数」によって評価されることで、その影響力の大きさと比較して、報酬が低く設定されてしまいがちな実態がありそうです。

 

私たちは、こうした課題を「正直レビュー」にこだわるということで、解決ができると考えています。今回発表した新サービス「Reviewers(レビュワーズ)」では、パートナーであるインフルエンサーさんたちに、“企業への忖度なしで、しっかりと正直な感想をレビューしていただく”ことをお約束していきたいと思います。

またスポンサー企業さまにも、前述した“正直な情報発信”だけが、生活者に影響を与えうるということを、丁寧に説明していきたいと思っています。これまで以上にインフルエンサーさんの影響力を活かした(影響力を殺さない)情報発信と、生活者と商品の、よりよい出会いを生み出せるのだと考えております。

 

また「正直レビュー」により、一般生活者に支持される情報発信が行われれば、それは、ユーザーからの反響という形で跳ね返ってきます。私たちは、「フォロワー数」ではなく、インフルエンサーさんの影響力の大きさに応じた報酬をお支払することが、公正な料金設定だと考えています。

具体的には、生活者の購入の意思決定に影響を与えやすいと判明している「リーチ数」または「保存数」の大きさに応じた報酬設定。また同時に、自社商品の「リーチ数」と「保存数」の価値を立証し、知っていただくための活動を、地道に続けていきたいと思っております。

 

身銭を切って、さまざまな商品を実際に試して、一般生活者目線でのわかりやすい情報発信ができるインフルエンサーの方々の活動と技術は、現代の情報環境において、とても価値のあるものだと確信しています。

私たちは、そのポテンシャルを活かしきれていない企業様へのご支援と同時に、実力のある(一般生活者に対する影響力の大きい)インフルエンサーさんが、しっかりと収益を得ることのできる構造をつくり上げ、企業・インフルエンサー・一般生活者がそれぞれハッピーな、“3方よし”の状態をつくっていくために努力して参ります。

 

最後に

インタビューにこころよく応じて下さった、一般生活者・インフルエンサーの方々のおかげで、なんとかサービスのリリースまで漕ぎ着けることができました。また、それ以外にも、社内・社外問わず、たくさんの方々に、協力・アドバイスを頂きました。ほんとうに、大変、感謝しております。 

また当初は「正直レビュー」という内容を、企業様がどれくらい受け入れてくださるかどうか不安な部分もあったのですが、たくさんの企業様へ「Reviewers(レビュワーズ)」のご提案をさせていただく中で、多くの企業様で私たちのコンセプトに共感いただいていることも、大変ありがたく、大きな励みになっております。

もちろん、サービスのリリースはゴールではなく、スタートになります。今後もサービスを継続していく中で、これまでお話させていただいた“3方よし”を、ウソなく実現できるよう、チーム一丸となって努力していきたいと思っています。


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