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卵は安いほうがいい…のかな?

先日、映画『関心領域』を見てきました。無関心であることのおそろしさ、いや、無関心よりもおそろしい、見たくないものは存在しないことにできていることにゾッとするしかありませんでした。映画中でよくわからなかったことがあとになってわかったので、もう一度見たいような気もしますが、とにかく音響が人を不安にさせる映画で、もう一度見るのは勇気がいりそうです。

さて動物の話をします。
人類史上最悪の犯罪に関わる映画のお話の流れから動物の話にもってくるのは、一緒にするなと言われそうではあるのですが、「無関心であること」という部分のみからの連想です。

動物が幸せであったり適正な取扱いをされていてほしい、とは、たぶん多くの人たちが思っていますよね。犬や猫が虐待されているのなんて許せないと思いますし、そうしたニュースには関心がある人も多いでしょう。

でもすべての「動物が幸せでない状況にあること」「動物が適正な取扱いをされていないこと」についてそうか、といわれると、どうだろう。

これは私もそうだと思います。それどころか、たぶん私は、動物たちに起こっているいろいろなよくない状況について知識として知っているほうなんだろうと思うんですが、すべてのことに関心を向けているかと言われれば、胸を張って「はい!」とは言えない。だからえらそうなことは言わない、言えないです。

あらゆる動物の置かれたしんどい状況に関心を向け続けることは難しいことですよね。ただ、自分のできる範囲、手の届く範囲でできることをやれば、ちょっとしたことでもそれをみんながやれば、しんどい動物が減るためのお役にも立つんじゃないかと思います。

たとえば卵。
毎日、食べる人も多いだろうし、頻繁に購入するものでもありますね。
そして卵には、安い(まあ最近そうでもないか)卵と、高い卵があります。デイリーに買うものだと安いほうがいいに決まってますし、家族が多くて消費量が多かったりすると、一番安いもの一択になってしまうんだろうと思います。

でも、なんで値段が違うんだろう?
ざっくりいうと、鶏が快適な暮らしをしながら卵を産んでいるか、ギューギューで自由のない暮らしをしながら卵を産んでいるか、ということになるかと思います。解説しているサイトも多いのでご覧ください。

作る側(の多く?)としては、高い=敬遠される、安い=買ってもらえる、なので、安く売れるように作りたいというのがあるんでしょうね。
数年前に問題となった鶏卵汚職事件なんてのもありました。

価格差があっても、それを負担することが、鶏がより健全に暮らしていってくれるために私たちができることの小さなひとつなのかなと思います。

畜産はそういう問題がいろいろあるんですね。豚肉もです。
価格差の一例としては、らでぃっしゅぼーやのサイトを見ると今日の時点で190g税込み753円、スーパーの安値を紹介しているサイトを見ると100g税込み96円。10gあたりだと39円と9.6円、4倍の違いがありました。
その価格差になにがあるのかというと、豚の品種もあるのでしょうが、やはり飼い方の違いがあるんですね。上記らでぃっしゅぼーやの高い(よねえ、やっぱ)豚肉は、放牧豚です。

動物に対する関心、無関心ということに思いを及ばせたとき、鶏と豚の価格の違い、ということが思い浮かんだのでした。

たぶん、消費者の誰もがこうした価格差の意味を知って、「価格が高くても買う」ということになれば、ずいぶん変わっていくのだろうなあとは思います。自分たちの切実な日々の暮らしのことと、どこかにいる知らない家畜のこととをはかりにかけることは簡単じゃあないのでしょうけれども。

なお、私はお肉を食べるのも好きなので、「このような状態だから食べない」ではなく、できるかぎり、よい状態で飼育管理している動物をいただきたい、とは思っています。

ではまた。

トップ画像はイラストACより。


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