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プールで泳ぎながら、子どもたちを尊敬した。

世の中がこのような状況になる前、週2・3くらいジムのプールで泳いでいました。

ある日、珍しくお昼頃にプールへ行くと、スイミングスクールが開かれていました。

ジムのプールは、全4コースくらいと狭く、そのうち2レーンがスイミングスクールのために使用されていました。

私は、少し肩身の狭い思いをしながら泳ぎ始めました。

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話は変わって、子供の頃、両親に勧められてスイミングスクールに通うことになりました。

私のスクールでは、レベルごとに10段階に級が分けられていて、水泳未経験の私はもちろん一番下の10級からスタート。

級ごとにキャップの色が決まっていて、10級は黄色い帽子でした。

一番下の級ですから、まずは水に慣れることから。

「ボビング」という水に頭まで潜ってからジャンプして前に進むやつをたくさんやった記憶があります。

そして、通い始めて2ヶ月、初めての進級試験がありました。

テストを受けて合格すると合格証をもらって9級に進級し、翌週からはピンク色の帽子をかぶることができます。

初回は残念ながら不合格。

落ちている子もまあまあいたので「まあ、こんなものなのかな」と特に気にせずにいました。

2ヶ月後の試験も不合格。

その2ヶ月後も不合格…。

同じタイミングで入った子たちがドンドン合格していきます。

何回目かの試験後、合格証をもらってピンクの帽子を買うために更衣室に急いで向かう子たちを見て、泣いたことを覚えています。

結果、私は10級の試験に1年間落ち続けました。

後から聞いた話では、なかなかいないみたいです。

合格した時は嬉しかったですねぇ…。

一番ピンク色が魅力的に見えたのは、あの時なんじゃないかと思います。

その後、なんだかんだで通い続けて、最終的にはクロール・平泳ぎ・背泳ぎ・バタフライを正しく泳げる1級まで到達することができました。

今思えば「粘り強く何かを続けて成果を得た」という原体験がこれなのかもしれません。

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そんな子どもの頃の記憶を思い出しながら、平泳ぎでゆったりと泳いでいました。

隣のコースでは、たくさんの子どもたちがレッスンを受けていたのですが、全員黄色の帽子をかぶっていました。

「ということは、みんな水泳を習いたてなのかな」と思いつつ、端で休憩していると、彼らの帽子の前に小さい布が貼ってあることに気付きました。

そこに書いてある文字を目にした時、私は驚愕したのです。


「23級」


に…23級!?


10級であれだけ辛かったのに、今の子は23級からスタートなのか…!

きっと私が子どもだったら心が折れる…いや、もはやスイミングスクールに通うこともしないだろう…この子たちはこれから22個ものハードルを超えてゴールである1級を目指していくんだな…すごい子たちだ…。

若いスイミングコーチが、チョケてプールに飛び込んだ時に起こった水しぶきを顔面でシッカリと受けながら、子どもたちに尊敬の眼差しを向けていました。

あのレッスンを見に来ていた親御さんたちに「怪しいおじさんがウチの子を見てる…!」と思われていないことだけを願います。





P.S. 帰宅後、家に帰って調べてみたら、このスイミングスクールは30級〜特3級まであるみたいです。頑張れ子どもたち!

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