たぶんショートショート「ダサい」

居酒屋にて。

カウンターで立ちながら日本酒を飲んでいた。
別に何も考えてはいない。
このお店が好きだから入った訳でもない。
そこにあったから入っただけ。
ただ、それだけ。


対面に胸元がざっくり開けたシャツを着た男が女性連れで現れた。
インナーは何も着ていないため、ざっくりと開いたシャツの先は素肌だった。
正直、男の素肌なんて見えたら見えただけ不快だ。ハーフパンツで足が見えているのもうざったい。毛があるとか関係なく見たくもない。
女性の素肌と男の素肌の魅力は反比例している。
あくまで私の中だけの話だが。

ただ今回は今までと大きく違った。
ざっくりと開いたシャツの中から見えた素肌には入れ墨が入っていた。
あーーーダサい。

私は入れ墨を入れていることをダサいと言っている訳では無い。
入れ墨を見せたいがために、シャツをざっくりと開けていること。そして、手や腕や顔や首等の露出する部分に入れ墨を入れるほどの度胸はないこと。
ここにダサさを感じた訳だ。
こういう男らしく見せてるだけの中途半端な男が1番ダサい。

そんなことを日本酒を飲みながら考えていた。
すると、連れの女性が爆笑しながら、ざっくりと開いたシャツから見せている入れ墨をバカにしていた。

私は思った。
ああーーー。女カッケー。
俺もダセー。

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