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アーティストのためのハンドブック感想文。自分の幸せについて考えたくない

アーティストのためのハンドブックを読み終えました。
ちょっと途中何言ってるか分かりにくい部分(訳文のせい?)を飛ばし飛ばし読んで、2点ほどすごく心に残ったところがあるのでそれについて書こうと思います。

アーティストとは

まず、この本が対象としている「アーティスト」は一般的な意味のアーティストとは少し違っています。

芸術でお金を稼ぐ人、あるいは、クリエイターのような人、ではなく、自分の中に何か作りたいものがあって、それを作ろうとしている人をアーティストとしています。

これがすごく大事で、世の中の自己啓発本は、「やりたいことを見つけよう」「〇〇な人になろう」「上手くやろう」「〇〇の仕方」みたいな感じだと思うんですが

この本が対象としている「アーティスト」は、「何か作りたいものは決まっている、あとはそれを追求するだけ」の人のことを刺しています。そして、その追求には、理想の具体化、深掘り、他者の価値観とは違う方向へと進む、試行錯誤するなどなど

ようするに、客観的な評価はできない、でも、これというやりたいことがあるっていう、そんな人なんです。

そんな偏屈な人に上げられる処方箋はあまり多くありません。

そして、だからこそ、その上で、この本は、お前らは天才ではない、けれども、そのような理想の探究は誰でもやって良いことだと言ってくれます。

もちろん、天才の作品・偉業に比べれば、ほとんどの作品は良くない
けど、それがどうして自分の作品をつくることを辞める理由になるのか

既存の作品じゃなくて自分の作品を追求したいから作品を作るんじゃないのか
もちろん既存の作品こそが自分の理想である、これこそが最高の作品でこれがあれば良いと思えるものがあれば、自分の下位互換的な作品なんて価値がないかもしれません。

でも、あなたは私じゃないように、人の意見と自分の意見が完全に一致することがないように、名作は自分の作品の代わりにはなってくれないと思います。

お前らは幸せになれない

この本の最後に書いていたことが最高に良かったので自分の言葉で言い直して見るんですけど

お前らがとれる選択肢は2つだ。
1つ目、自分の仕事に全力を打ち込んでなお幸せになれないか。
2つ目、全力を打ち込まないことによって幸せを逃すか。

これ、いずれにしても、お前らは幸せになれないって言ってるところが最高じゃないですか?
世の中の本なんていかに不幸を避けるか、大きな(あるいは小さくて身近な)幸せをつかむかみたいな本ばっかりなのに、この本はそうは言ってない。

自らの理想を追求する者、その先にあるのは破滅だと言わんばかり。
良い。

理想を、執着を捨てて幸せになれよ、とか、あるいは夢を叶えて幸せになれよとか
そんなことはどうでもいい。
自分の理想の追求は、幸せとは別のことで、大層な理想を持ってしまった時点で不幸になるのだ。
だからこそ、頑張れると、そう思います。

本当に最近この手の、"それでも"っていう言葉が好きになってきてますね。
ブルアカのエデン条約編しかり、FateのUBWしかり、ガンダムユニコーンしかり、血界戦線のクラウスしかり、電王の野上良太郎しかり……

いや正直、何かを成すときに幸せとかよく分からないこと考えるのだるいですよ。幸せってなんだよ。って話だし、夢や理想のすり替えだったり、自分を納得させるための言い訳だったり。めんどくさいですよね。

幸せとは?なんて考えはじめたらキリがない。
だからこそ、それでも、って言って、自分が今問題にしていることに集中して前を向かなきゃ仕方ない。
そう思いましたマル

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