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調子に乗ってはじめる一日

夢を覚えていないままに目覚めた。気持ちが落ち着かないままに朝を始める。夢を見たことを覚えていない朝は、何を思いながら目覚めるものなのだろうか。

いつもの朝は、ぼんやりと夢のことを思い出しながら、少しずつ目覚めてくるのだけれど。毎晩のように見ている夢を、きれいさっぱり覚えていない朝は珍しい。

夢を見なかったのは、夏が終わったからかもしれない。気温が低くなって、ゆったりと眠っていられる時間が増えた。だから、ゆうべは夢を見ることなく深くふかく眠っていた。

涼しくなると夏の疲れが出てきて、人はゆっくりと眠るようになる。盗賊が入ってきても気づかぬままに、ぐっすりと寝ていることも多い。池波正太郎さんが書かれたお話の中で読んだことを思い出した。

秋になったころを狙って盗賊たちは押し入るらしいから、秋は稼ぎ時らしい。盗賊に家の中でばったりと会いたくはないけれど、江戸の町を盗賊改めがはしりまわるお話をまた読み返してみようか。あれは『剣客商売』だったか『鬼平犯科帳』だったか。どちらだっただろう。どちらでもなかったかな。

夜に夢を見ていても、そうでなくても。朝の私の頭の中は変てこなものが湧いてくる。変てこなものが、朝からいろいろと出てきた一日は、楽しいいちにちになる。

それに加えて、昨夜はすっきりと眠ったのだろう。いつもより、頭のなかがすっきりしているはずだ。だから、ひらめきも多くなる一日になるはず。

これだけ、楽しそうでひらめき増えそうな一日、夜になる頃、何を思っているかな。今日のいちにちが楽しみになる。我ながら調子に乗りやすいというか、現金なものである。

調子に乗ってはじめる日。そんな日があるのも悪くない。

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