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飲み込む気持ち

腰痛がひどくなり、整体へ駆け込む。定期メンテナンスと称して、月に1度は通っているのだけれど……と数えてみたら40日ぶり。

施術台のうえにのり、腰からほぐすと思ったら、背中をすっと撫でて肩と首からほぐし始めた。

「最近、何を怒っていましたか」

突然、整体師さんに聞かれる。先生によると、腰痛は怒りの表れだという。押し込んで押し込んで耐えきれなくなった感情が、痛みになって腰に現れるらしい。で、ぎくりと腰痛になるという。

おもいあたる怒りは、新しく始まる不安からくるイライラだ。

「こんなわたしでありたい」と思うのに、まったく、そこに届く気がしない不安。

不安を解消するには、日々、できることを積み上げねばならない。

「ねばならない」と感じているだけあって、自分の中でやらされている感覚が強くて。なかなか動くことにならない。

だんだんと、本当に、これ。やりたいことなんだろうかと不安になっていく。不安を解消するために動こうとして、でも動けず。
堂々巡りな自分に、だんだんと腹が立ってくる。

でも、動かないのはわたしで。仕方がない。
と、怒りを飲み込む。

もしかしたら、それがたまっていたのかもねと話した。

先生は、わたしのはなしを聞きながら、身体をほぐしたり、ひっぱったり、手でゆるめたり。

「内臓もこわばり、首も短くなってますよ。
これは、不安というより、怖がって自分を守っているからかな」

そうですね。わたしは怖いですよ。
だって、これからはカウンセリングやセラピー提供だけで食べていこうと決めたから。頭、まっしろです。

そうしたら、先生が独立を決めた時のこと。はじめたばかりの半年のこと。あれこれと、話しながら何度も「大丈夫ですよ、大丈夫です」繰り返してくれる。

身体の痛みもやわらぎ、数えきれないくらい「大丈夫です」と聞いて、わたしもあったかくなった。

「次は、早めに来てくださいね」

ぐるぐると、自分の内側に押し込めていたものが。身体を通して、外側へ出ていった。

外を向きすぎても、しんどくなる。
内を向きすぎても、苦しい。
ほどよく。
内側から外側へ。外側から内側へ。
ぐるんぐるんと、何か、動くものがあるとたのしくいられるのかもしれない。


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