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2021/3/15-16(火)ずれた論点というめくらまし


前回の続き。やはり800字じゃ書ききれんなあ。

最後わかりづらいですね。オリンピック組織委員会の話です。森さん発言ってよくよく読むと女性蔑視の問題というよりは昔ながらの根回し政治の問題なんですよね。でもわかりやすく女性蔑視の問題にしちゃったから橋本さんが後任に収まったとたん全く批判できなくなりました。結果、この組織の体質問題は手付かずのままです。まあこれが意図してやったことならばマスコミも共犯ってことです。

で、今回の件も同じだなあと思ったのですよ。鶴竜が横綱として今後の進退をどう考えるのかというのは「こんなに休んでいるのに大金を貰い続けていいのか」という問題ではないんです。

そりゃわかりやすいですよ、お金の問題にしてしまえばね。身近な経験と照らし合わせることができるから、角界を知らない一般の私たちにも簡単に議論することができますもん。

だけど鶴竜が今向き合っている問題の本質はそこではないように思うのです。それをわかりやすくお金の問題にだけしてしまったら、じゃあ鶴竜がこれまで休場していた分のお給料を返上すれば気の済むまで現役を続行してもいいということになるのですか、ということです。

わかりやすさは時にめくらまし。

古くて問題だらけ、だけど一部の人たちにとって実はとても都合のいい体制の根っこにある本質の問題に人々が気づかぬよう、うまく回避しながら、潰したい人だけをピンポイントに攻撃するためのもの。

一番わかってない人にまでわかってしまうような論点から批判が始まった時こそ、私たちは安易に乗ることなく一歩引いて身構えなければいけないように思うのです。

誰かを潰す共犯者になりたくないのはもちろんのこと、本質を覆い隠す共犯者になるのも嫌です。

そんなことを件のツイートから考えました、というお話でした。




武者修行中です。皆様に面白く読んでいただけるような読み物をめざしてがんばります。