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頼まれてもないのに。

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原稿用紙4~5枚くらいを目安に、そのつどなんとなく思いついたテーマで短文を書いています。誰にも頼まれてないのに、ほんと何のために書きためているのやら。そんな駄文の数々をお読みいた…
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2020年5月の記事一覧

頼まれてもないのに。その10(ごはんを炊くだけの話)

頼まれてもないのに。その10(ごはんを炊くだけの話)

土鍋でご飯を炊くようになって1年たちます。

最初は続くかどうか半信半疑だったのですが、いざ始めてみると炊けたご飯があまりにおいしい上になんとも手軽に炊けてしまうので、もう土鍋ご飯のない生活に戻れません。

直接のきっかけは10年近く使い続けていた炊飯器のフッ素コートの剥がれが無視しきれない感じになってきており、そろそろ買い替えるべきだけどどうしよう……という、まあとてもありふれた理由でした。

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頼まれてもないのに。その9(「学びの場」からいったん距離をおくことで)

頼まれてもないのに。その9(「学びの場」からいったん距離をおくことで)

「当たり前だったことが当たり前じゃなくなった」ことで、初めて見えてくることがあると思います。

本当はそんなことが起きなくても、本を読んだり映画を見たり様々な境遇にある人たちの話を聞いたりすることで、想像力を駆使して「私たちが今当たり前にできていることがいかに奇跡的なことか」を日々実感できればよいのですが、私たち、なかなかそこまで賢くできていないようです。

「当たり前だったことが当たり前にできな

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頼まれてもないのに。その8(立ち止まると歩けない?)

頼まれてもないのに。その8(立ち止まると歩けない?)

しまった。一週分飛んでしまいました。

不思議なもので前回書き終えた時には「次はこのテーマで書くぞ」という思いはあるのです。ただそれを「来週」書けばいいと思ってそのままにしておくと、このように一週飛んでしまうという。

言い訳をすると先週はツイッターのほうで呟いたことをアメブロでまとめていたのでnoteを更新する時間が作れませんでしたなのですが……言い訳になってないなあ(ちなみにアメブロのほうがこ

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頼まれてもないのに。その7(中島敦@青空文庫)

頼まれてもないのに。その7(中島敦@青空文庫)

背伸びをしてみたくなる年頃というものがあるようで、私にとってはそれが近代日本文学を読むという行為だったことがあります。毎年夏になるとどの書店にも山積みされる「新潮文庫の100冊」という無料小冊子を持ち帰っては、梶井基次郎だの志賀直哉だの樋口一葉だのに思いを馳せ、葡萄のしるしや落穂拾いのモチーフを手に取る自分自身に「文学少女」らしさを見出していたのでした。今にして思うと当時読んでいた小説の中身をどれ

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