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【アイディアはどうやって湧いてくるのか?】

こんにちは、たまやまです。
今回は「アイディアはどうやって湧いてくるのか?」をテーマにします。
創作者にとっての命綱でもありますね。

「いやお前、ゲームをまだ発表していないのにアイディアがどうとか語るんじゃねえよ!」
と言われると耳が痛いのですが、ちょっとまだまだかかりそうなので……。

一応なんですけど、一個だけ百合の短編小説を公開しています。
カクヨムのコンテスト(中学生向け恋愛小説)用に執筆し、最終選考まで残りました。
入選には届かず、「中学生を百合脳に洗脳する」という野望は潰えましたが……。

もし読みたいという方は是非お読みになってください。
「こういう感じの百合が好きなのね……」ってのが分かると思います。
https://kakuyomu.jp/works/16817139554614502752

というわけで、私がイチから考えるというよりも先人の知恵を拝借し、
「どういう場面でアイディアは湧いてくるのか?」
「どういう行動をすればアイディアが湧いてくるのか?」
というのを考察していきたいと思います。


①いつ、どこでアイディアが湧いてくるのか?

「どういう場面でアイディアが湧いてくるのか?」という問いに対し、有名な二つの言葉があります。
【3B】と【三上】です。

【3B】:「Bed(ベッド)」「Bath(風呂)」「Bus(バス)」。
【三上】:「馬上(移動中)」「枕状(眠ろうとするとき)」「厠上(トイレにいるとき)」

ご存知の方も多いかもしれませんね。
つまり「リラックスした状態でぼーっとしているとアイディアが思い浮かぶ」ようです。

現代社会は無駄な情報が溢れまくっているせいで、意識しないと空いた時間をつくれません。
スマホは最強ツールであることに疑いはないのですが、無目的に使うと無限に時間とやる気を削がれます。

移動中の電車やバスでスマホ、歩きながらスマホ、トイレでスマホ、飯食ってる時もスマホ……。
弄っていたらあっという間に時間が過ぎて「あれっ、世界線変わった?」ってなる。

仕事や学校帰りにゴロンとして、ついついテレビなんかも見ちゃう。
芸人が飯食ってる番組を2時間くらい見て「もう寝ないとな……。」ってなる。

ダラダラとスマホやテレビを見ているとき、脳はリラックスしていません。
「意識して、ぼーっとする時間をつくる。」
これこそが創作者にとって、最高のライフハックなのかもしれません。

さて、どんな状況でアイディアが湧いてきやすいかは分かった。
アイディアを湧かせるための事前準備はどうしたらいいのか?
さらに深堀していくために、偉大なる方々の教えをインストールしていきましょう。

②映画監督とコンサルタントの教え

富野由悠季氏は『機動戦士ガンダム』という偉大な作品を作った名監督です。
もちろんアニオタの私も御代のことは存じております。

さて、そんな富野監督ですが、
「アニメばかり見ている人間が作るアニメはつまらん」
という旨の発言をしたことがあります。

これはつまり「アニメを作るならアニメ以外の作品に触れろ」という意味で、色々なジャンルに触れないとイカンいうこと。
あらゆるジャンルを取り入れて生み出した結晶こそ、自分の作品だという想いが強いのでしょう。
実際『機動戦士ガンダム』は、ロボットに戦争と人間同士の複雑な群像劇を盛り込んだ意欲的な作品でした。

私は主に百合に関する作品を創作しています。
百合漫画・小説・ゲームはもちろんインプットする(普通に遊んでるだけ)のですが、それに加えて他ジャンルも鑑賞しています。
様々な恋愛モノも見るし、バイオレンスな話も見るし、ビジネス書も読むし、男性用エロゲーもやります。

流行りものには流行るだけの理由がありますし、「なんでこれが流行ってるんだ?」という具体例から「これこれこういう理由で流行っていると思われる」と抽象化させて汎用的にし、創作物へとそのアイディアを転用するのもアリですよね。

また、世界のビジネスエリートは哲学や美術を学んでいる傾向が強いそうです。
コンサルタント・著述家である山口周氏は『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』にて、下記の通り記述しています。

不確実性の高い意志決定においては、どこかで「論理的な確度」という問題については割り切ったうえで、「そもそも何をしたいのか?」「この世界をどのように変えたいのか?」というミッションやパッションに基づいて意思決定することが必要になり、そのためには経営者の「直観」や「感性」、言い換えれば「美意識」に基づいた大きな意思決定が必要になります。

出展 山口周
『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか : 経営における「アート」と「サイエンス」』 光文社 2017年

少しひねって創作者に転用すると、
ある程度の論理性を保つ技術を磨きながら「どういうシチュを描きたいのか?」「どんな己の癖を世間にぶちまけたいのか?」という使命感や情熱をもとに創作へと当たるのが重要であり、その性癖の指向性は「インプットした結果で培われた美意識」に基づいている
という感じでしょうか?

③外山滋比古の教え

外山滋比古先生は東大生協で毎年売れまくる『思考の整理学』の著者として有名です。

東大生がよく読んでると聞くと「難しそう……」と思うかもしれませんが、意外と平易で分かりやすいです。
創作に転用できる考え方も非常に多く、是非とも創作者には手に取って欲しい一冊です。
内容を見ていきましょう。

長い間、心の中であたためられていたものには不思議な力がある。寝させていたテーマは、目をさますと、たいへんな活動をする。なにごともむやみと急いではいけない。人間には意志の力だけではどうにもならないことがある。それは時間が自然のうちに、意識を超えたところで、おちつくところへおちつかせてくれるのである。

出展 外山滋比古『思考の整理学』 筑摩書房 1986年

寝させておく、忘れる時間をつくる、というのも、主観や個性を抑えて、頭の中で自由な化合がおこる状態を準備することにほかならない。ものを考えるに当って、無心の境がもっともすぐれているのは偶然ではない。ひと晩寝て考えるのも、決して、ただ時間のばしをしているのではないことがわかる。

出展 外山滋比古『思考の整理学』 筑摩書房 1986年

知識をぶち込んでおいて、忘れるくらいに放っておくと勝手にイイ感じになる。
嘘みたいな話ですけどありますよね、これ。
企画を机でうんうん唸りながら考えているよりも、風呂に入ってぼーっとしているときに思いつくとか。

思考の整理というのは、低次の思考を、抽象のハシゴを登って、メタ化して行くことにほかならない。第一次的思考を、その次元にとどめておいたのでは、いつまでたっても、たんなる思い付きでしかないことになる。

出展 外山滋比古『思考の整理学』 筑摩書房 1986年

具体⇒抽象⇒転用の話です。
メタ化することによって、汎用的に利用できる一般概念が創出されます。

これまでのべて来た、寝させる時間を与えよというのも、それによって、もとのコンテクストが必然的に変わる。新しい面が見えるのを期待するのである。移植ではないが、まわりの土壤、コンテクストが一変すれば、同じところにあっても、移植されたのと同じ理屈である。

出展 外山滋比古『思考の整理学』 筑摩書房 1986年

時間が経って世界観が変化すれば、その状況にフィットしたアイディアが浮かびうるということ。
「移植」というのはメモした媒体を変化するなども含まれるそうです。
メモ帳から創作ノートに移し替えるとかね。
そうすると、新たな文脈の中で化学反応が起こるそうです。

「アイディアが降ってこないことを急いではいけない、待つのだ」と偉大なる先人は言っているわけですね。
なんか色々ごちゃまぜにぶち込んでおくと、寝ている間やボケーっとしている間に、イイ感じに熟成培養してくれるそうです。

④インプットをする

結局当たり前の話で恐縮ですが、インプットは大事だということですね。
インプットしなきゃ、アウトプットは出てこないんですよ。

このインプットは何でもいいと思います。
本読んでもいいし、漫画見てもいいし、アニメ見てもいいし、ゲームやってもいい。
先に引用した山口周さんの著作では、絵画を鑑賞する、哲学書や純文学など硬めのものを読むなどをあげていました。
寺社仏閣を巡ったり、奈良の大仏を見に行くとかでもいいでしょう。
とにかく、感情が揺さぶられるような体験をする。
それを蓄積することによって、私たちの脳内はクリエイティブな発想をする土台が積みあがっていくのです。

おわりに

以上、「アイディアはどうやって湧いてくるのか?」でした。
まとめます。

「とにかく多種多様なジャンルをインプットする。アウトプットするジャンルのものを詰め込む必要はない。感情が揺さぶられるような体験をとにかく取り込む。そして時間をおいて、脳がじっくりと煮込んでくれるのを待つ。ふと、ぼーっとした瞬間に、アイディアが勝手に湧いてくる。そのためには、意図的にぼーっとする時間をつくらなければならない。性癖に従え。」

こういうことです。

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たまやまが泣いて喜びます(´;ω;`)
それでは、また。

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