見出し画像

ゲームの今後とか、なんとなく考察

ちょっとした仕事の関係上、改めてゲームの基本特性や今までのゲーム市場の把握から今後の方向性について考える必要があったので、整理がてら記載してみる。
なお、考察にあたり、元SQEX社長の和田さんの記事がかなり参考になった。
ここで記載されているゲームの拡張性という意味での5つの座標軸について、下記に転載しておく。

①Playerの裾野の拡大
②Playerの関わり方のカスタマイズ
③Non-Playerの参加
④CreatorがUserに
⑤Phisical世界とDigital世界との交差


【ゲームの基本特性】
では、まずゲームというメディアが持つ基本特性の整理をする。

・世界観などの諸々表現はどんだけでも非現実性に振り切れる
(法に触れなければ)

・インプットに対しアウトプットが返ってくる
(十字キーを押せばキャラが動くという即時的なフィードバックから、勇者として長い冒険をして魔王を倒せば世界平和が訪れる長期的なフィードバックまで)

・ゲームルール上の失敗をやり直しできるケースが多い
(オンラインゲームでは自分自身の人格を意図的に多重に変えてやり直すことも可能)

・没入感を高める手段が多角的に存在する(ゲームサイクルやバランス設計、報酬設計、諸々表現、ストーリーや演出など)

つまりは、基本的にバーチャル空間で表現され、行動と結果が比較的明確であり、失敗リスクがほとんどない、というところか。
そして、このことは後半に記載するが、現状においてはバーチャルが基本となっていることが肝となる。


【今までのゲーム市場】
次に、ゲーム市場(日本)の現状を整理してみる。

・携帯電話(スマホ含む)によるゲーム市場の裾野が広がったが現状は広げきった印象。まだスマホゲームが市場を牽引しているものの成長は鈍化
(①Playerの裾野の拡大)

・従量課金モデルにより、ユーザー毎に課金額によるプレイスタイルや資産等をカスタマイズ可能に
(②Playerの関わり方のカスタマイズ)

・Pay to Win形式からステータス的平等性を基本とするビジネスモデルの登場(主にバトルロワイヤル系タイトル)

・新規ヒットタイトルが海外勢(とりわけ中国)及び国内大手パブリッシャーが保有するIPに収斂している傾向

依然として、F2Pのビジネスモデルが強いが、市場としては成熟状態にある。
2010年代に多くのゲーム会社がスマホゲームに参入し市場拡大の果実を享受したが、2020年代において開発費高騰やパラメーターという数値以外の高コスト商品がマネタイズの主力としての傾向が強まりつつあるため、大手企業以外は単独で市場で生き抜くことは困難な状況となっている。


【今後のゲーム市場】
巷ではユーチューバーが話題になっている通り、今はゲームそのものだけではなく動画配信もセットになっている、つまりその動画を見るユーザーまでが1タイトルに紐づく関係者となっている(③Non-Playerの参加)。
この傾向は5Gの登場によって、より顕著になっていくように思える。
ゲーム画面のカメラはどうしてもプレイヤー目線になるため、見てる側からすると何が起こっているのかわかりにくい。
例えば、ストリートファイターのような1対1の対戦でかつ、両プレイヤーの動きが見渡せるものであればいいものの、LoLのようなタイトルになると既存ゲームプレイヤーでない限りゲームルールを理解するのは困難であろう。
すでにGoogleのストリーミングゲームプラットフォームであるSTADIAでは視聴者が複数のカメラに切り替える機能を検討しているかしていないかという噂があるが、それは当然の発展型であろう。
また、最近顔を出した展示会では、ゲーム外において視聴者が複数カメラを切り替えられる動画サービスのデモもあった。
eSportsのプロプレイヤーの手元を写す等、コンテンツを様々な視点で楽しめる幅が広がっていくであろう。

あともう1点、5Gに伴い拡張可能な領域がある。
AR(拡張現実)である(⑤Phisical世界とDigital世界との交差)。
冒頭にて、ゲームというメディアの基本特性として、
・世界観などの諸々表現はどんだけでも非現実性に振り切れる
・インプットに対しアウトプットが返ってくる
・ゲームルール上の失敗をやり直しできるケースが多い
・没入感を高める手段が多角的に存在する
というポイントを列挙したが、AR×5Gはこれらの要素により現実世界をエンパワーできるかもしれない。
つまり、ARにゲーミフィケーションとAIを掛け合わせることで、各個人の日常生活がゲームのように、行動に対してフィードバックが明確にあり、失敗に過度におそれることなく、没入感を得られるようになるかもしれない。
人々を外に連れ出すきっかけにもなったポケモンGOがその事例として存在しているし、それらは人をより能動的にできる仕組みとして、日常生活に大きな変化をもたらすかもしれない。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?