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第0回:雑談力向上委員会発足

時は西暦20✕✕年。あらゆるテクノロジーが眼根を巡らせ、「リモートなんちゃら」やら「テレなんちゃら」による意思疎通を双方に向かわせたとしても、人肌への恋しさが消えてなくなるほど個が個ではいられないそんな時代。そこで繰り広げられる会話は、昔以上に変わらぬお喋り、お喋り、ダベリ話に与太話。”外見そこそこイケメン風に、中身は奇しくも平々凡々”困りはしないが跳ねもせず、それを地で行き時代の流れに危機感を抱いていた二人の男。

玉坂>日記をつけ続けて15年。タマちゃんの愛称で呼ばれるそれなりこつこつサラリーマン。趣味のストレッチと風呂掃除の毎日に飽き足らず、彼は日常の会話を彩る技術を模索していた。
ラマ男>一方、日記を放置すること15年。ラマちゃんと呼ばれるヘッダー画作家。”ボケなぞおらずともツッコミたい癖”を手持無沙汰に、彼はその鋭さの向き先を探し求めていた。

そんな二人がここ、noteの場ですれ違って袖やらなんやら、利害関係なんかも絡み合う。一度会ったら友達で、週一回なら漫才師。リモート会話もなんのその、アドリブ即興で火花を散らすーータマちゃん&ラマちゃんが世の雑談ベタな皆さまに送る、雑談力向上委員会、ここに発足!

***

玉坂(以降、玉):ラマちゃん。
ラマ男(以降、ラ):はい?

玉:聞いてもらっていいですか。もうね、生きるか死ぬかにかかわることなんだけど。
ラ:いきなり何よ?すごく重たい。
玉:雑談力をね、あげたいんですよ。
ラ:どこが生き死に…一応、優しさから聞いてあげるけど、雑談力って一体またなんで?
玉:なんていうか…あげないとアカン、というか。
ラ:え?
玉:上げないとなんか…強い敵倒されへん、みたいなとこある。
ラ:職業が勇者なんだな、おい?それで最後まで通すんだな?
玉:サマンオサのボストロールとか倒されへんみたいなとこある。
ラ:いや、ドラクエ3に出てくる真ん中よりちょい前の中ボスとかわからんけども。
玉:ウィットにさ、飛んでるさ、いい感じのゴロ回しとかしたいんよ。
ラ:飛ぶなよ。富め。よくわかんないけど、勇者じゃない我々のような一般人にわかりやすく伝えていただくとすると、どういう理由よ?

玉:え?わからんの?ほぼほぼドストレートにモテたいって言ってんねんけど。鈍感なん?
ラ:わかるか!自分の言語トランスレーション能力疑ったわ!でも言いたいことはわかるよ?雑談力あれば、モテる男になれるよな。
玉:ええ。モテたい。モテたい。
ラ:でもいきなりなんで雑談よ?もっと「イケメンになりたい」とか、「ファッションセンス上げるには?」とか、イジくる所あるでしょうが。
玉:ユニクロは日本の至宝や。
ラ:…やっぱ雑談力か。

玉:ちゃうねん。「雑談力のない人は馬鹿だ」って夏目漱石が言ってたからさ。
ラ:それ雑談力じゃないくて”向上心”の話ね。引用するならちゃんとして。ほんで漱石は明治!今はもう令和!3世代ぐらい飛んだ!
玉:情報量が偏差値大魔神。
ラ:褒めてんのかけなしてんのかわからん。まぁよい、そこまでモテたいなら、この大魔神様が”雑談の極意”を教えてやろう。
玉:変なテンションきた。「偏差値大魔神=雑談のカリスマ」みたいなとこあるからさ、相談してみたんよ。その甲斐あったわ。

ラ:勇者と大魔神が手ぇ組んでどうすんだよ。まぁ今日だけだぞ。まずはどんなシチュエーションの雑談よ?
玉:そだな…。こないださ、会社の上司に「”トルツメ”って知ってる?」って聞かれたんよ。
ラ:うんうん。
玉:で、その時にちょっとイラっとしてさ。
ラ:上司にイラッとすんなよ。しかも話しかけられてすぐに。
玉:してんもん。
ラ:子どもかよ。
玉:で、つい「知ってるに決まってますやん!!」って言うてもうたんよね。
ラ:でも、実は知らなかったってこと?
玉:いや、知ってるねん。知ってるに決まってるねん。
ラ:じゃあいいじゃんか。
玉:いや、もう、あかんやんか。雑談力低いやんか。
ラ:なにがよ?合ってるよ。イラッとしたら誰でもそうなる。
玉:いい感じの返しするべきやん、本来なら。
ラ:じゃあまずはイラッとするなよ。返しって、たとえばどんな?
玉:「ああ、知ってますよ。えらいお坊さんの名前でしょ?」これが正解やねん。
ラ:”トルツメ”ってそんな意味だったっけ?
玉:守備力高めの僧侶やで。
ラ:やっぱり最後までRPGで行くのな?絶対な? 
玉:たぶん、ビアンカに恋し続けてるんちゃうかな。フローラいってもーたから。
ラ:ドラクエ5わからん。1ミリもわからん。
玉:ちゃうねん。ちゃうねん!
ラ:何よ?
玉:“トルツメ”=”取って詰める”くらいわかってますやん!って話よ。その上で、知ってることを見せびらかしつつ、ウィットに富んで返すからモテるんやろっ!「”トルツメ”知ってる?」って聞かれて馬鹿にされた!と思って怒るとか、もう下の下やん!!(怒)
ラ:今度は富んだな。でも思い出し怒りとかすんなよ。上司2度も怒られて損しかないわ。

玉:…やばい。鼻毛出てきた。
ラ:おい、おい、突然なに言った今。
玉:でさ…どうしよ?雑談力ってなんなん?
ラ:もうますますモテん方に行っとるで自分。
玉:モテるって。令和やし。
ラ:令和なめんなよ!どんな時代だと思ってる?
玉:みぐしおろす時代。
ラ:平安!10代前!もういい。「”トルツメ”って知ってる?」だけどさ、
玉:うん。
ラ:正解はな。
玉:うん。
ラ:「知らんので話しかけんといてもらえます?あ、鼻毛出てますよ。カッター貸しましょか?」よ。
玉:…やばい。
ラ:なにが?
玉:高僧が負けた。偉いお坊さんやったら誰にも負けへん思ってたのに。
ラ:僧侶ごときが大魔神に勝てると思うなよ。…てか大魔神って誰のことやねん!違う!イラッとする上司との雑談力なんか上げたってしょうがない!モテたいんだろ?女の子との雑談で使え。会社の受付の!
玉:で、考えたんですよ。雑談力ってそもそも何よ?って。
ラ:会社の受付の!
玉:ちょっと…聞いてもらってええかな。
ラ:最後まで言わせて!ってか最初から聞いとるやん。こっちが。こっちがね!

玉:雑談力って、まとめると要はこうやんか。
・相手の好みにあった投げかけをし(質問力)
・返しを適切に受け取り(理解力)
・咀嚼する(処理力)
・相手がまた話したくなるように返答する(展開力)
…どう?

ラ:いきなりまともやめろ。学級委員か。そして概ねどれも正しい。
玉:丸尾くんやね。マルコ・ザ・リトルの。
ラ:英語訳みたいに言わんでいいだろ。ちびまる子ちゃん!
玉:あーあーあーあー。なんかいい方法ないん?雑談力ーあげるほうほうー。
ラ:ある。
玉:出た。偏差値の魔術師。
ラ:大魔神から替えんなよ。ちょっと気に入ってたぞ…魔術師とかまたRPG寄り。
玉:ラマちゃん偏差値20,000やからな。魔術いけるやろ。
ラ:偏差値の単位バグってるな。いいだろう、雑談力をあげる方法はたったひとつ…「テーマ」や!
玉:あ!わかった!!
ラ:相槌おかしいでしょ?「わかった!!」って。お前が閃いたみたいに言うなよ!違う、俺が教えた!
玉:雑談力上げる方法って、もしかしたら「テーマ」ちゃう!?
ラ:わーーーーー!言ってるじゃん!俺が、そう、言ってる!なに?バカなの?
玉:やっぱな。俺あれやし。偏差値530,000やしな。
ラ:フリーザの戦闘力!RPGから格ゲー!そんでもっとバグった。 
玉:あと2回変身残ってるからな。
ラ:ますます強くなるからやめろ!まぁいい、進めてやる怖いから。雑談力上げるには、お前が考えついたとおり「テーマ」選びが大事なんだ!

玉:よし。わかった。そこまで言うんやったら、わたくし玉坂、「雑談力向上委員会」を結成しようと思います。
ラ:い、委員会?…で、いいんかい?
玉:雑談力向上委員会を結成しようと思います!!!
ラ:無視すんなよ!渾身のダジャレ!言った!
玉:俺、あれやるわ。ほら。なんやっけ。
ラ:何よ?代表ってこと?
玉:ちゃう、思い出した。副委員長!俺、副委員長するわ。
ラ:謙虚ー!副とれや!違う!言い出しっぺは委員長やるの!
玉:ラマちゃん。
ラ:なに?だいたい言いそうなことわかるけども。
玉:ラマちゃん、「王」やってよ。
ラ:王ーーーーっ!そんなもん委員会にいない!おかしいやろーー!
玉:王いいじゃん、ラマ王。スパ王みたいでおいしそうですし。おすし。あー、お寿司たべたいわー。
ラ:食べ物でごちゃごちゃ!

玉:はいはい!!わかったわかった!!!(怒)
ラ:いきなりなに?こわ。
玉:じかんじかん!!こちとら時間給でやらさせてもろてますから!
ラ:バイトかって!
玉:じゃあ雑談力向上に必要なこともわかったし、委員会もできたし、王に免じて今日はこれくらいで勘弁しようと思ってますんで。
ラ:勘弁てなに?「こっちのセリフだろ!」とかも言いたくないレベル。レベチ。
玉:はい、では「今日のまとめ」を言って締めてください。
ラ:俺が?王様の俺が?
玉:君主論。
ラ:使い方!マキャベリに謝れ。
玉:すまん。
ラ:謝り方ー!まぁいいわ、初回だしな。王の王たるゆえんを見せてやる。
玉:早く。
ラ:王をせかすな!コホン…。

【今日のまとめ】
■議題
雑談力を上げたい

■採決
雑談力を上げるには、鼻毛出てる上司の話はあしらいつつ、受付のカワイコちゃんを食事に誘うために何話そうかなって仕事中ずっと考える。つまり「テーマ選び」。これに尽きます。

68点。

玉:ありがとうございました。
ラ:次回もワシにちこう寄れ!

#解説
雑談力向上にはタマちゃんが挙げた4つの項目が必須。

・相手の好みにあった投げかけをし(質問力)
・返しを適切に受け取り(理解力)
・咀嚼する(処理力)
・相手がまた話したくなるように返答する(展開力)

そして何より、

「テーマ選び」

こそ生命線。

雑談力向上委員会では、雑談力アップにつながる「テーマ選び」と、上記4つの力を駆使した対談を繰り広げます。コツコツと積み重ねる雑談力向上のエッセンスを是非ご堪能ください。

今後の二人の活躍に、乞うご期待!おすし!

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