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「中小企業金融円滑化法」って何かね

SNSのレコメンドで表示されて気になった「EXIT」
日本やばいよ,日本やばいよって話は聞くけれど具体的にどうやばいのかって,納得できるその概観を説明できるか?と問われると目を伏せてしまう。ちょっと知識を入れたくて購入した。

その中で出てくる「中小企業金融円滑化法/モラトリアム法」という法令がキーになっていたので,以下にまとめてみた。

物凄くかいつまむと

■1 リーマン・ショック(2009年)で資金繰りの厳しい中小企業に対して,金融機関はちょっと甘めのジャッジで支援してあげてね,と言う法案が民主党政権時に通った
■2 そんなことしたら貸し倒れが増えてしまうから期限付き(2013年)の法案であった
■3 2019年まで金融機関は金融庁へ「ちゃんと支援しているか?」報告義務があった
■4 報告義務があるがゆえに,実質そこそこ甘めの支援が続いた。特に地銀。
■5 2019年で報告義務がなくなり,その支援策が終わる…ところへ来たコロナ
■6 中小企業金融円滑化法の枠組みが自民党政権によって再開された

倒産しかけの企業をドーピング的なお金の力で救ったがゆえに,業態を変化したり,コストを削減したり,リストラしたり,その他もろもろ経営努力によって立ち直ることが難しいにもかかわらず,存続している企業が多い。
それは2009年からすでに起こっている。
国としては企業が一気に倒産するとまずい(税収減,社会不安,政府への不満などなど)ので,支援を続ける。
2019年で一区切りが起ころうとしていた。
しかしここにきてコロナ。
また支援せざるを得ない状況となった。

企業も大変,地銀も大変。

企業はお金借りても延命措置しかできない。地銀はお金貸しても金利取れない。倒産されたら資金回収できなくてもっと大変,みんな大変。でも,改善に向けた有効な手段が見当たらない。

え,詰んでるんじゃないの?

そういう話。

「コロナだからしかたないよね」ってキーワードが物事の本質を曖昧にしてしまうってのはよく聞くけれど,ほんの少し時間をつくってその中身を理解してみると良いかもしれない。


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