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「モデルケース」みたいな,花束みたいな恋をした

わたしにとっての憧れは,山田詠美の「ぼくは勉強ができない」であり,村上春樹の「ノルウェイの森」であった。「ビバリーヒルズ高校白書」は現実離れに過ぎていて追い求める対象とはならなかったけれど,振る舞いやしぐさに影響を受けた。

映画や小説。然るべきタイミングに素敵な作品に触れると「このタイミングで出会えて本当によかった」と作品や作者に感謝を覚える。
そういった憧れや感謝がモデルケースとなり,自身の恋愛像をそれとなく形作る。人によっては丸々真似したいと思いなぞるだろうし,人によっては要所要所をピックアップしてこれからの恋愛に盛り込むだろうし。モデルケースは多く,人生のそこここに影響を与える。

こうしたモデルケースってもっともっと沢山触れておいた方がよかったのかな。それとも全く触れずに実体験だけで突き進んだ方がよかったのかな。たまに思う。

「またかって思うよ!またなんだもん!!」
って台詞に女優の表情を凝視してしまうのは,想像力に掻き立てられる感情だけではなくて,コツコツと重ねてきたこれまでの女性との逢瀬そのもの足跡である。
青春の時期にモデルケースに触れた方がいいかどうかはわからないけれど,手にした経験達が映画の見方に彩を添えることくらいは,少しだけわかった。
恋愛をモチーフとする映画の見方の変化ほど儚くて残酷なものってないと思う。本当に花束みたい。


おもしろそー。
菅田将暉さん有森架純さんの演技,好きだ。

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