「毒」にも薬にもならない
・仕事は遊びじゃないんだから
・ケースバイケースしっかり考えて行動しろよ
・自己管理も仕事のうちだからな
・こういう会議にも人件費がかかってるんだぞ
・頑張らんでいいから結果出せよ
いやいや、そんなもん何の役にもたたへんがな。
美辞麗句
どこで聞いたんだか2万回くらいビジネス書やらそこかしこのブログ記事やら、それを聞いた誰かの口からか、こすってこすってこすられまくった言葉ってのがある。
大抵何の役にもたたないし、すでにみんな知っているし。
そういう時ですね、出てくるこの言葉。
あの上司の言葉って「毒にも薬にもならない」よね。
毒にも薬にもならない
害もなく益もない。じゃまにもならないが、たいして役にも立たない。
引用:https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E6%AF%92%E3%81%AB%E3%82%82%E8%96%AC%E3%81%AB%E3%82%82%E3%81%AA%E3%82%89%E3%81%AA%E3%81%84/
ああ、かなしい。
確かにこれって、上記の意味の通りなんだと思うのだけれど、もう少し含蓄を。
「全てのものは毒であり、毒でないものなど存在しない。その服用量こそが毒であるか、そうでないかを決めるのだ」 (ドイツ語: Alle Dinge sind Gift und nichts ist ohne Gift; allein die Dosis macht es, dass ein Ding kein Gift ist.) あるいは「服用量が毒を作る」
By パラケルスス/Paracelsus
引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%91%E3%83%A9%E3%82%B1%E3%83%AB%E3%82%B9%E3%82%B9
風邪薬なんてわかりやすいですね。
服用量を守って飲めば薬効を期待できますが、度を越した服用では体に支障をきたします。
最近話題のカロナール。解熱鎮痛効果を期待できる薬です。有効成分は「アセトアミノフェン」という成分でして、説明書にはこんな風に書かれています。
この薬を高用量(アセトアミノフェンとして1日1,500mgを超える場合)で長期間服用する場合は、定期的に肝機能検査が行われます。その場合には、指定された日時に検査を受けてください。
引用:https://www.rad-ar.or.jp/siori/kekka.cgi?n=41728
取りすぎると肝臓に支障をきたす(毒になる)かもだし、用量用法を守ればいい感じに効果を得られるぜ(薬になるぜ)。
ということですね。
ちなみにアセトアミノフェンの致死量は13~25gらしい。
で、踏まえてですね。
冒頭の、訳の分からん上司の言うこれ。
・仕事は遊びじゃないんだから
・ケースバイケースしっかり考えて行動しろよ
・自己管理も仕事のうちだからな
・こういう会議にも人件費がかかってるんだぞ
・頑張らんでいいから結果出せよ
これらは言葉自体には意味があるし、ごもっともで、言い手の用量用法が間違っているから害なんですよね。
だからそれは「毒にも薬にもならないん」じゃなくて、用量用法を誤った美辞麗句の使い方であり、ただの「毒」になっちゃってるんだねって、微量でも。
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あの人のnoteって「毒にも薬にもならないよね」って言われないように頑張りたい。
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