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「拝見」してください

誤用である。
間違ってるなーと感じることさながら,当人の言葉の使い方に対する感度の低さと,周りに注意してくれる人のいない環境が大いに気になる言い回し堂々のNo.1に輝くそれである。丁寧に「ご拝見」とされて「ご拝見ありがとうございます!」みたいにびっくりマークがついていたりすると様々の思いがぶわぶわぶあーっとこみ上げてくる。CCに上司らしき宛先が入っていると2割増しである。
確かに,お読みください,見てくださいだと何か足りない感があるので,どうにか何かの敬意をひねり出したい気持ちから生まれる「拝見してください」には一定の物語が見られて好感がある。ひねり出す努力がある分,この誤用をする人にあまり悪い人はいない気がする。
御覧ください,ご高覧ありがとうございます,お目通しくださいあたりにたどりつけないのには,もはや怠惰ではなく社会システムに問題があるといって良いくらい,情報へのリーチは容易くなった。世の中はとても便利になった。

あと「拝見してください」という音韻を聞くと,ペリー提督の「開国してください」を思い出す。


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