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カイロンとアヌビス、シュタイナー文化期の考察

カイロンとアヌビス、シュタイナー文化期の考察

4月20日の日食は私のネイタルの9ハウスにあるカイロンとコンジャンクションでした。
私のカイロンはおひつじ座29度「天球の合唱隊が歌っている」ですから、今回の日食の1度手前です。

何かそれっぽいことあったかな?あったかも?
ちょうど人生2回目のプログレス新月もやってきたので、表と裏が入れ替わるような毎日で、これまでと違う方向へ転換している過渡期のように感じます。
そんなわけで9ハウスにあるカイロンの影響を受けながら~、カイロンとアヌビスについて備忘録をまとめておきます。


第三文化期(BC2800年~)エジプト・カルデア文化期のアヌビスと第四文化期(BC700年~)ギリシャ・ローマ文化期のカイロンの共通性

カイロンは「傷ついたヒーラー」として説明される事が多いそうです。
カイロンは西洋占星術で使われる小惑星のうち、1970年代後半頃から世界の占星家によって注目されている小惑星の一つです。「傷ついたヒーラー」と呼ばれ、「心の傷」や「自分を許すために必要なこと」が表されていると考えられているそうです。

でも、どうしてカイロンは「傷」というイメージが付いて回るのでしょう?ギリシャ神話にある”ヘラクレスのエリュマントス猪退治”の際にヒュドラの毒矢を受けて命を落としたからでしょうか?
私は以前ギリシャ神話の”カイロンの死”にまつわるエピソードをまとめています。今回は別の角度でカイロンについて考察していこうと思います。


エジプト・カルデア文化期のアヌビス

エジプト・カルデア文化期はBC2800年〜はじまるため、ギリシャ・ローマ文化期よりも一つ前、古い時代になります。
この時代のことは主にエジプト神話が現代に伝えられていると思います。

エジプトの女神イシスが聖母マリアのモデルだと言われたり、エジプトの神々や神話はギリシャ神話やキリスト教の物語の原型になっていることが多いと考えられます。

西洋占星術で使用されている神話や伝説の多くは、エジプトとバビロニアの占星術にまでさかのぼることができ、アヌビスはカイロンの対と見なす考えもあるそうです。

カイロンと同じようにアヌビスは子供の頃に捨てられています。アヌビスの父はオシリスで母親はネフティスだと言われています。
オシリスには妻であるイシスがいて、ネフティスには夫であるセトがいたため、二組のカップルの関係が複雑に絡んだものです。
”夫が妻以外の女性との間に子供を設ける”と言うシナリオはギリシャ神話のクロノスやゼウスなどでも同じ行動が見られますね。

オシリスはイシスの妹ネフティスと関係を持ちました。
ネフティスは夫であるセトを恐れて生まれたばかりのアヌビスを捨て去ってしまいます。
ネフティスの姉でオシリスの妻であるイシスはこのことを知っていてひそかにアヌビスの行方を捜し保護したと言われています。

シュタイナーが提唱した3番目の文化期のテーマは「アストラル体の育成」ですから、感情とか情緒を育んだ時代なのだと思います。

この世に生まれる事がアヌビス自身だけでなく、他の神々にも痛み、悲しみを与えてしまうという、ちょっと切ない神話だと思います。
ショッキングな出来事だから、その経験を通して感情を学んだり思考を深め行動を変える生きたかを変えることができるのだと思います。

夫が他の女性との間に設けた子供を助け出し養育したイシス。イシスに育てられながら彼女をサポートしたアヌビス、激しい気質のセト神。
エジプト神話の神さまは感情豊かというか、人間味があるというか、アストラル体ってこんな感じなのかな?と思いました。

ここでグルジェフのエニアグラムとシュタイナーの文化期テーマを合わせて考察します。
第三文化期エジプト・カルデア文化のテーマは「アストラル体の育成」です。私の認識ではアストラル体は動物知覚的で感情に等しいエネルギーものだと思っています。人体の脳でいうなら羊脳と呼ばれる大脳辺縁系、愛着や感情をつかさどる部位に該当すると思います。
この時代は大脳辺縁系が発達して文化は感情や情動、情緒を育成していった。みたいな感じだと思います。
これがエニアグラムのインターバルショック「3」ド192に該当するのだと思います。

感情や情動、情緒を体験し、それを育むことで次の第四文化期へと進化していくのだと思います。しかし、進化は同時に退化でもあるので霊性が失われどんどん物質的な世界に比重が移っていくのだと思います。

ギリシャ・ローマ文化期のカイロン「誕生と傷」

ご存知の方もいるかもしれませんが、カイロンもまた生まれてすぐに母親に捨てられています。その後、太陽神アポロンに拾われ育てられた立派な教師、偉大な賢者になりました。

カイロンの母ピリュラー(菩提樹の精霊)は黒海沿岸の島に住んでいたそうです。島でカイロンの父クロノスはピュリラーを見初め、2人は恋に落ちたそうです。
でも、クロノスには妻のレアがいましたから、馬の姿となりピリュラーと交わったそうです。
しかしレアに発見されクロノスは馬の姿となって逃げ、ピリュラーも島を去り、ペラスゴスの山中でカイロンを生みますが恥ずかしさと嫌悪感からカイロンを置き去りにしたと言われています。

その後、事実上孤児となったカイロンは、太陽神アポロンによって発見されます。アポロンはカイロンを彼の翼の下に連れて行き(庇護して)音楽、竪琴、弓術、医学、予言の芸術を彼に教えました。
アポロンの双子の妹アルテミスは、アーチェリーとハンティングで彼を訓練しました。
カイロンの独特の穏やかな性格や優しさ、知性はアポロンとアルテミスに起因しているそうです。
この物語が意味するものを別の角度から見ていきます。


ギリシャ・ローマ文化期と孤児のカイロン

シュタイナーの文化期ではギリシャ・ローマ時代は第四文化期(BC700年~)に該当します。そしてこの時代のテーマは「自我の育成」です。

そもそも自我というのは記憶の連続性を指す。と何かの動画の中で松村先生はおっしゃっていました。


自我というのは記憶の連続性とか 自分という意識の連続性に関係しています。もしこの部分がないと、きれぎれの状態で生きているようなアストラル体 しかないような状態を表しています。

ここでいう「自我」がどの範囲の自我か?というのが問題なのですが、カイロンは全宇宙を統べた二番目の神々の王クロノスの息子ですから当然「不死の存在」です。
不死の存在としての自我、普遍の自我を育成するのが第四文化期のテーマだったと考えることができるでしょう。
ギリシャ・ローマ時代はプラトンやソクラテスを始め多くの哲学者や識者が活躍していた時代です。彼らは哲学や幾何学の中に普遍の自我=ロゴスを求めていたのだと思います。
ロゴスという結晶をもって霊性から物質へ下降する時の流れの中で物質に偏らない「普遍の自我」を育てていたのだと思います。
この哲学や幾何学など知の探究がインターバルショック「6」ド48になるのだと思います。

カイロンだけでなく私たちは生まれる前にいた大きな世界から切り離され、小さな肉体に自我を閉じ込めて地上へ生まれてきます。
ちょっと強引にグルジェフの水素の当てはめて考えると、カイロンの場合は宇宙の王であるクロノスの子供H6から一転、孤児になるためH24へ転落したと考えてもいいのかな?って思います。
そこで地上の太陽神アポロンH6、月の女神アルテミスH96に伴われH24として三位一体、三つ組みが完成する感じです。


その後、第四文化期から第五文化期にかけてゴルゴダ転換期がやってきて、事物性から象徴性への回帰というか、”愛というロゴスを持って普遍性を獲得する”みたいなキリスト意識が人類の自我になったのかな?と思ってみたりします。


今日の考察

カイロンの軌道を求める方法については別noteにまとめました(動画あり)よろしければご覧ください。

カイロンやアヌビスだけでなく私たちも地上に生まれてくる際、もと居た星から切り離される痛みや傷を持っているのだと思います。
大きなものが小さな肉体に詰め込まれ、裏の世界から表に移動する際、忘れてしまったもの手離したものがたくさんあるのだと思います。
小惑星カイロンは裏の世界から表の世界、表の世界から裏の世界へ橋渡しをしつつ、時々痛みを引き起こして忘れてしまった記憶、手離したものを痛みと共に思い出させてくれるリマインダーみたいなものかな?と思います。

まだ、まとめきれないため支離滅裂な要素がいくつかあり、自分でも何を書いているのか?何を考えているのか?
まるでアビス砂漠の沈没船、幽霊船になった気分です⤵⤵でも、もう少し時間をおいてまとめていこうと思います。