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高級品には固有名詞の手がかりを#13

先日親戚宅に招かれた時に、ある品物を預かりました。
大型のタッパーウェアに入った、何かの毛皮のファー。
遺品整理の一環で手放されたいとのこと。

どなたかにお譲り出来るかもしれないということで預かったのですが…

何せこれが何の毛皮なのか?が分からないので、どこにどう相談したら良いか・・・腰が上がらず寝かせてしまっています。

高額品は何故高額なのか

そのものに希少価値がある高額品は、市場の中で評価される何らかの「シンボル」があるものです。例えば

「朱色の花」の皿
「ラクダ」の絵
「すごく光ってる宝石」の指輪

こんな風に言われても、全然ピンときませんよね。

「柿右衛門」の皿
「平山郁夫」の絵
「0.5カラットのダイヤ」の指輪

こうやって作者の名前や品質を表す数字がつくと、価値がありそうに思えませんか?

またちょっと調べてみようと思ったら、作者や大きさなどで大体いくらくらいで売買されるものなのか、ネットで目安を検索することもできます。

逆説的に言うと、世の中での価値を調べるときに必要な情報が固有名詞・数字なのです。

何の宝石なの?種類は?

家族へ残しておくべき資料

大切なお金を使ってお買い物された品々。
ご自分が使わなくなった時には、大事な家族や友人に喜んで使ってもらえると良いかもしれませんが、人の好みは違うもの。貰う側も喜んで使えるか、飾れるかはご本人次第。

なので万が一の時に家族へ譲り渡すとなった時に、固有名詞・数字がわかる情報を一緒に引き継ぐことができたら

・家族が売却したいと思った時に適切なタイミングで、適切な市場で換金できる
・貴重品も価値がわかる方の手に取ってもらえる

そんなメリットがあります。

【購入日・購入した人・買ったお店・買った商品内容・金額の情報】
・品名や購入した商品のパンフレット、チラシ
・購入した時の値札、領収書(売った時の譲渡所得税を計算する時に必要になることがあります)
・購入したお店の情報がわかるショップパンフレット
・保証書(期限切れであったとしても)
・金やプラチナなど重さで市場価格が決まるものは地金種類とグラム数が分かるメモ

このような資料を書かないエンディングノートに収納しておきましょう。

なお品物現物とセットで保存しておくことが好ましい書類(値札など)は、コピーをとってコピーをファイルに綴り込みます。

金・プラチナを売った時の税務署対応

個人が金、プラチナ、メイプル金貨、イーグル白金貨の金地金を200万円超で売却または交換された時には、それを買い取った業者から税務署へ「金地金等の譲渡の対価の支払調書」が提出されます。
(銀や宝石ジュエリーは対象外です)

「金地金等の譲渡の対価の支払調書」には、金地金等をご売却または交換された方の「住所」、「氏名」、「マイナンバー」、「金地金等の種類」、「重量」、「数量」、「支払金額」、「支払確定年月日」が記載されます。

国税庁 令和元年分以降の支払調書

また上記支払調書の提出有無に関わらず、売った時の値段から、買った時の値段・各種手数料などを差し引いて、売却の利益が出ている時には確定申告が必要な場合があります。

特に金地金は売値が大きくなりやすいため、購入時期、購入金額が分かる資料が残っているかどうかで、納税する所得税・住民税の計算に大きく影響します。

物の出口対策には、物を手にした時の入り口の情報を整理することが大切です。

*この支払調書制度も、税務調査で金地金やプラチナ地金の譲渡所得の申告漏れが多く発見されたため、これらの所得を税務署が把握できるように2012年(平成24年)1月1日付けで創設された経緯があります。

先代からの遺言

「これ〇〇円で買ったもんやけん、いつか高く売れるけん、大事にしとかんね」

そんな伝言と共に、親や祖父母から預かって家のタンスの奥深くで大切に眠っている貴重品。

言葉の言い伝えだけではなくて、固有名詞・数字がわかる証拠資料を、書かないエンディングノートに収納しておきましょう。


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