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「知らなかった」では済まされない!経営者が備えておきたい連帯保証の相続対策#76

「社長、いま御社が銀行から借りている借金に、社長個人が連帯保証をしているかどうか、覚えていますか?」

法人の金銭消費貸借契約書 連帯保証人は誰?

経営者としての責任は、会社運営の成功だけでなく、自分自身に万が一のことが起きたときに、家族が困らないように備えることも重要です。

特に、自身が会社の借金に連帯保証人として関わっている場合、その影響は自分が亡くなった後にも及ぶ可能性があります。

今回は、経営者が連帯保証に関連する相続のリスクについて知っておくべきこと、そしてその対策についてご紹介します。


1. 経営者の相続で遺族が直面するリスク

会社が金融機関から融資を受ける際、社長個人が連帯保証人となるケースは少なくありません。

もし、社長個人が債務者であり、個人の通帳から毎月返済を行っている場合、その返済履歴や社長個人名義の残高証明書を確認することで、個人の債務が明らかになることが多いです。

しかし、法人が債務者で、個人の通帳が返済に使われていない場合、遺族がこの連帯保証債務の存在に気付かないことがあります。

このようなケースでは

「会社の事務室にしか契約書がなく自宅に情報がない」
「会社名義の通帳にしか返済履歴が記録されていない」
「借入の契約内容は会社の事務スタッフしか知らず、遺族が内容を知らない」

ということも考えられます。

その結果、遺族が連帯保証の存在を知らずに相続手続きを進めてしまうリスクが高まります。


2. 知らないまま相続手続きを進めるリスク

もし遺族が連帯保証の存在に気付かずに相続手続きを進めると、法定相続人が法定相続分に基づいて連帯保証を引き継ぐことになります。

その結果、将来法人が返済に行き詰った場合、事情を知らなかった相続人が連帯保証人として返済をしなければならないという厳しい状況に陥る可能性があります。

このような事態を避けるためには、早期の対応が求められます。


3. 適切な対策とは

経営者が亡くなった後、遺族が相続手続きを進める際、逝去されて3ヵ月以内に家庭裁判所へ相続放棄を申立てることが一つの対策として考えられます。

しかし、逝去後は法要や急を要する事務対応などが重なり、3ヵ月はあっという間に過ぎてしまうことも少なくありません。

さらに、連帯保証の存在を知らない場合、そもそも「相続放棄手続きを検討した方が良いかどうか」という疑問も感じない可能性があります。

特に、経営に関与していない子供たちにとっては、この問題が見過ごされがちです。経営者が逝去した場合、遺族がこの問題に直面しないためにも、事前に適切な準備が必要です。

逝去直後の3ヶ月はあっという間です

4. 家族への情報共有の重要性

現時点で個人として連帯保証をしている場合、家族にもその事実を共有しておくことが重要です。

具体的には、金融機関と主債務者との間で交わされた借用書(金銭消費貸借契約書)のコピーを、個人の重要書類として家庭でも保管しておくことをお勧めします。

このような書類を整理し、家族が適切な情報を把握できる状態にしておくことで、万が一の際に相続手続きをスムーズに進めることが可能になります。


5.まとめ

経営者として、個人が連帯保証人として関わっている借金のリスクを理解し、適切な対策を講じることは、会社のビジネスだけでなく、遺族の将来を守るためにも非常に重要です。

特に、会社が法人として借金を負っている場合、遺族がそのリスクに気付かない可能性が高いことを踏まえ、事前の準備を怠らないようにしましょう。

①家族との情報共有
②重要書類の整理
③そして万が一の時に相談できる専門家とご縁を繋いでおく

など、しっかりとした対策を講じましょう。

重要書類の整理には、書かないエンディングノート®️を活用することをおススメいたします。

個人の重要な書類は一箇所にまとめて整理・収納しておきましょう

もし具体的なご相談や、現在借金の相続でご不安・お悩みのある方は、自己判断をせずに、個別具体的な対応策を検討するために、専門家へご相談ください。


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