見出し画像

菜の花と桃の練り切り #まいにち土鍋

火にかけられる土のスープ皿。
ある日は土の鍋に、ある日は季節を彩る上生菓子の皿にもなる。


春の動きが欲しいな、そう思って庭にざわざわ茂る南天の葉を敷いてみた。南天=「難を転ずる」という謂れがあり、祝いごとのお赤飯などに添えられているので、春の練り切りが、よりいっそう縁起良く見えてきた。殺菌効果もあるということで、魚料理などにも添えるのも良いでしょう。

南天実なんてんじつは、南天のど飴という商品があるように、民間薬として咳止めなどに用いられる薬草で、乾かした実を煎じて飲む。なんと今年はさみしいことに毎年楽しみにしていた真っ赤な実がならなかった。どうか「難を転じる」よう、せめて青々と茂る南天の葉に感謝して、願いを込めたいと思う。まいにちの庭は、確実に次の季節を呼んでいる。

ごあいさつに渡すつもりで準備した春の上生菓子。ひと箱お渡し損ねたので、我が家でいただくことに。やさしい甘さとおいしい水が、世界中に届きますように。


3月5日(土)
盛る「スープ皿コッチョリーノ」
菜の花と桃の練り切り(成城あんや)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?