とうもろこしは「ひげ茶」まで
可能性のかたまり
茹で、焼き、炊き込みごはんなど、とうもろこしの魅力は周知の通りだが、忘れてはならぬ、髪の毛みたいな髭みたいな、とうもろこしのあの部分。わしゃわしゃな、実を取り出すのにまとわりついて、んっもう!とかになる、あれ。
なんと、とうもろこしの粒ひとつひとつに、一本ずつあの細いのが繋がっているというのだから、粒がひとつ転がっても救いたいし、髭の一本にもお礼を言いたい。
あのヤギの髭のように長いのは「雌しべ(めしべ)」で、茎がすくっと天に伸びるテッペンに「雄しべ(おしべ)」があって花が咲き、花粉が舞う。「雌しべ(めしべ)」がキャッチしたら、実まで行き着いて受粉する。
とうもろこしは「まるごとひとつ」と思えない。「ひとつぶ」の可能性のかたまりなのだ。一本いっぽん、一粒ひとつぶに生命を感じる。
「土鍋で炊くとうもろこしごはん」
髭を煎じる
漢方の世界では、とうもろこしのひげは「南蛮毛」といい利尿効果がありむくみ改善と呈されている。汗をかく仕事なので水をたくさん飲むが、座って作業するのでむくみやすい。わたしにとってはありがたい髭。
お茶にするときは、髭だけでなく皮も干して使う。髭を炒る方法もあるらしいが、甘い香りが凝縮されるような気がするので天日干しにして乾くのを待つのもいい。
ぷぅんと、とうもろこしの甘い味がする。
今日も一本と一粒の、可能性を飲み干した。
「とうもろこしのひげ茶」
直火にかけられる
ポトルコッチョリーノ
あとがきコッチョリーノ
▶︎もう何年も夏のあいだは渡伊をくりかえしており東京を留守にしていたので、東京の2回目の夏を、夏の旬を、慣れた顔で楽しんでいる。▶︎しみじみ良いものだと満喫しながら、ドンとこい!的に度胸を据え仕事に没頭できるのも良いな。▶︎6月の末までになんとか順次、オーダー品のご納品を目指しているのですが、なかなかどうして少し遅れ気味。完成までの道は見えてきました。お待ちくださいね。▶︎あの人に、この人にあれこれ届け可能性!
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