わたしたちの季節を炊く
あいまいな情緒
しなやかなグラデーションで巡る4つの季節があるからこそ、あいまいな情緒が身につくのではないか。それを揶揄する、される必要はないと思っている。
国境はなくなるどころか厳しくなる一方で、他国に旅できず、身を不動にさせたこのパンデミックは、たくさんのことを改めて教えてくれた。良いことも悪いことも、本当にたくさん。
あいまいな味と豊かなうつわ
お出汁のあいまいな味や、煮野菜のあいまいな食感、発酵によるあいまいな香り。家庭料理において、それを内包するうつわも、あいまいかつ豊かでありたい。
土鍋2合炊き
「ナスとオクラの煮浸し」(上)
あいまいな音とリズム
バンドワゴンに引っ張られて踊るのはもうやめて、それぞれが曖昧な音とリズムで奏で走ればいいと思う。それぞれの奏でる音、歌う声は小さくてもいい。踊る速度はゆっくりでもいい。馬力の弱い車両であってもいい。
一斉に、なにかをしようとすれば大地や大気は手遅れだ。土のあいまいな温度を感じ、手をさしのべればいい。自然を護りながら食し、ゆたかなうつわに添えよう。
うつわをつくるのが仕事だけれど、使う人に、個性あるバンドワゴンとなってもらうために、その奏で方や歌い方を提案しているのだ。
夏がおわってゆく雲を感じながら、あいまいに流れる季節を炊いてみようと思う。
土鍋3合炊き
「キノコのスープ」(上)
土鍋3合炊き
「野沢菜おやき蒸し」(ヘッダー)
#土鍋コッチョリーノ
EXHIBITION INFORMATION
我妻珠美 陶展「秋を炊く」
2021. 09. 22(水) 23(木)
※2日間限定展示
(展示販売数は通常通り)
新宿髙島屋 10階リビング中央フロア
店舗営業時間ご参照願います。
*抽選入場になる予定です。
*定番土鍋の受注を些少限定数で承ります。
*詳細は後日。
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