他人の子どもを育てる。特別養子縁組という選択

私は約3年の不妊治療を経て、子どもに恵まれなかったため、
養子縁組で子どもを迎えたいと考えるようになった。

特別養子縁組とは、簡単にいうと、他人が産んだ子どもを我が子として育てることをいう。家庭裁判所で認められたら、育ての親の戸籍に子供は入るため、戸籍上も育ての親の子どもということになるのだ。

これからの時代は色々な家族がいて良いと思うし、日本でも特別養子縁組や里親が当たり前の世の中になれば良いなぁと思う。
だから、私が特別養子縁組で子どもを迎えたいと考えるようになったのかを、ありのままのことをできる限り伝えていきたい。同じような境遇にある人や、養子縁組を初めて知る方などに知ってもらいたい。


私は30代半ばまで、営業職として仕事をそれなりにバリバリやっていた。そして30代後半に結婚した。いわゆる晩婚である。年齢的にも難しいかもしれないが、子どもが欲しいと思い、すぐに不妊治療を始めた。
辛い治療や、大量の薬や自己注射にも耐えて2年半が経った時、子宮外妊娠になっていることが発覚。子宮外妊娠とは、子宮以外に着床してしまい、育たない妊娠である。そして、すぐに手術をしないとお腹の中で受精卵が破裂してしまう危険性がある危険なものである。


私はすぐに大学病院に入院し、2日後には緊急手術を受けた。ようやく着床して妊娠したと思ったら、子宮外妊娠。そして卵管という管を切除し、妊娠可能性がより低い体になってしまった。
病室でひどく落ち込み、もう不妊治療を続けるのは辛いなぁと思った。
だけど子どもは欲しい。

そんな時、大学病院の不妊治療カウンセラーの資格を持っている看護婦さんに出会い、こう言われた。

「自分が産んだ子どもを育てたいのか」
「子どもを育てたいのか」
「自分たちと血が繋がっている子どもを育てたいのか」
「子どもがいない夫婦だけの生活ではダメなのか」

何が自分たち夫婦にとって大事なのかをよく夫婦で話し合った方が良い。
とアドバイスをもらった。
養子縁組、里親、代理出産などの選択肢もある。今の世の中は、色々な家族の形があってもいい。大事なのは、自分たちは何を大事にして生きていきたいのか。

そして、夫婦でよくよく話し合った。

「子どもを育てたい」ということ。
「自分たちの子どもではなくても子どもの成長を見届ける親になりたい」
ということが私たち夫婦の考えだった。

いや、最初から話がまとまったわけではない。

夫は、他人の子どもを育てることなんてできない。と最初は言っていた。
私は、他人の子どもでも育てたい。と思っていた。
お互いがなぜそう思うのか。をよくよく話し合い、近くの児童相談所で養子縁組の説明を聞きに行ったりして、時間をかけて、夫婦の考えがまとまっていったのだ。

今日はここまでにしたい。
次回は、児童相談所に説明を聞きに行った後、どのようにして、養子縁組里親の登録まで進んでいったのかなどを説明したい。

最後まで読んでいただき、有難うございました。


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