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「悪者が夢に出てきて眠れない」と怖がる息子と私の10分間の会話
日常的な子供たちとの会話からは、実に意味深い出来事と繋がっていると感じる毎日です。
さて、昨夜の息子との10分間のやり取りは、今まで経験したり、勉強したり、読んできた本などを総動員させながら向き合いました。
年に数回、このように子供たちに対して、「総動員させる出来事」が起こります。
それ以外の日常で、いつも手を抜いているという意味ではありませんが^^
ただ、その「総動員」のときには、正面から受け止めて、彼らの小さな反応を逃さず、諦めずに目の前の出来事に付き合う覚悟の度合いが、数段階上がるといったイメージです。
それでは、昨夜の出来事を話しましょう。
21時頃、ベッドルームにいた息子がシクシクと泣いている声が聞こえました。
「どうしたの?」と、声をかけると、そこから10分間ほど涙を流しながら理由を話してくれました。
「昨日、夢に悪者が出てきたんだけど、その悪者を思い出して、寝るのが怖いんだ」ということでした。
その悪者とは、頬が赤と黄色で、全身黒い服を着て、家族で歩いていたときに、息子にだけ襲いかかろうとしたとのことでした。
他の家族は、そのことに気が付かなく、息子は声にも出せず、「怖い!」と思ったときに目を開けて夢から覚めたことで、夢が終わったという話でした。
私が最初に思ったことは、「何が最も怖いことなのか」ということを明らかにすることでした。
漠然とした恐怖よりも、「顔(表情)が怖かった」「声を出せなかったことが怖かった」「悪者に言われたことが嫌だった」など、息子の深層を知ることで、息子と話していく内容が変わりますから。
聞いてみると、息子が最も怖がっていることは、「今夜もまた夢に出てくるかもしれないから、そのときにどうしたらよいかわからない」という点でした。
そこで私は、息子に「もしも夢にまた出てきたら、どうしたい?」と訪ねました。
彼は、「わからないよー」と、またも大粒の涙が頬をつたいました。
そりゃそうですよね!
子供にとって、感じたことの全てが「現実」であり、どういう状態で体感したかは関係なく、ただただ怖いのです。
怖い夢を見たあと、「あぁ、夢でよかった」などという安堵感に浸れるほど、夢と現実を切り離した考えは、まだ持てていないでしょう。
「夢とは、睡眠周期の『レム睡眠』と『ノンレム睡眠』が交互に現れ、眠りの浅い『レム睡眠』のときに見ることがあり・・・」なんていうことは、息子には、どうでもよいのです!
そこで、私が彼に伝えたことは、私がコンサルタントとしてクライアントに接するときに活用している手法と、私自身が困難、難題と向き合うときに、自分自身で見つ出した方法で質問したり、提案することを試みました。
3つのステップでまとめてみます。
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①「悪者」の正体を明らかにする
「どんなお顔?」「何を話したの?」「触られたの?」「攻撃してきたの?」「どんな色?」「何人?」「大きさは?」「どんな気持ちだったの?」などと聞き、スケッチブックに『悪者』の絵を書いてもらいました。
その絵は、非常にはっきりと「悪者」を描写できていました。私とともに、実際の恐怖体験を共有できたという手応えを感じることができたと思います。
さらには、「私の子供を怖がらせて、このーーー!」といって、絵にパンチしました。
息子は、溜まっていた恐怖心を一気に放つかのように、「僕にもやらせて!」と、2発の強力なパンチ。
「うわー、強いね!」と私が言うと、少し満足げでした^^
②「悪者」は何をあなたにしたかったのか?
「『悪者』は、○○(息子の名前)に何をしたかったのかな?」「何を伝えたかったのかな?」「戦ってこなかったんだったら、サプライズ?本当は仲良くなりたかった?実は弱かった?」「一度、なぜ自分のところに来たのか話しかけてみれば?」と伝えました。
一方的に恐怖心を抱くよりも、相手について知ろうとすることで、不要な心配がなくなるかもしれません。
③「悪者」とまた会ってしまったらどうしたいのか?
「わからない」「自分でコントロールできない」というばかりでしたが、本当はなんとかしたいという気持ちは伝わってきたので、私は安心しました。
「あなたの夢は、あなた(息子)がボスなんだから、あなたがしたいようにコントロールできるの!」と話すと、少し冷静になってきました。
続けて、「夢では痛みも感じないし、空を飛ぶことも、ライフセーバーのような武器を出すことだってできるんだよ」というと、「えっ、空を飛べるの?!」といいながら、久しぶりに笑顔が蘇りました。
「悪い夢は、現実で良いことが起こる前兆」などといった話も入れながら、空を飛んだり、ライフセーバーで戦って勝利するイメージを話したり、声を出して家族に助けを求めたり、「やめろー!」とはっきり伝えたり・・・
怖いと思うことに対して、具体的な行動を話していたら、盛り上がってきて、いつの間にか涙は消えて寝ていました。
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朝起きると、何事もなかったかのように普段通りの、元気な息子でした^^
また怖い夢を見ることもあるし、嫌なことが現実に起こるかもしれません。
いや、きっと起こりますし、起こっている出来事に対して、「怖い」「嫌だ」というふうに、自分自身で思い込んでしまうことは、私にもあります。
そういうとき、できる限り、起きていることを別の角度で見るための材料を探してみる。
そして、「な~んだ」と、感じられるものを生み出してみれば、その時点で、冷静さを取り戻し、一歩前に進めているのかもしれません。
そうそう、息子と話しているとき、ずっと彼の目を見て、背中や腕をさすったり抱きしめたり、肌で感じる安心感も忘れずにいました^^
「大丈夫だよ」といってあげることはラクですが、言われた本人にとって何も納得していないのに問題を片付けられてしまうことで、心を傷つけてしまいかねません。
家族にも、自分自身にも、そして仕事ではクライアントへも、根気よく、覚悟を持って目の前の問題と向き合うことを、改めて私の軸としておきたいと思ったのでした。
さいごまで読んでくださり、ありがとうございます♪
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