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『乙女なげやり』三浦しをん著

 【あらすじ】
 2004年初版の爆笑エッセイ。三浦しをんのエッセイで笑わなかったことがないので、ついついあらすじが単一的になりがちなため、エッセイ内に描かれたライフ・イベントを示すことにする。虫歯の治療、マリリン・マンソンのライブ、哀川翔の自伝を精読、汗腺炎になる、車に轢かれる、『ロード・オブ・ザ・リング』を観てヴィゴ・モーテンセンにはまる、弟の恋人(?)ジロウ君に遭遇する、『白い巨塔』にはまる、母親の入院、実家から引っ越す。というイベントの合間に、溢れる漫画や小説への愛が緻密に説かれている。


 デビューから4年でこのエッセイ。語彙力の幅が凄まじい。文の途中で様々な小説や漫画、ドラマのセリフをパロっているところ著者の引き出しの多さと瞬時に使いこなせる知性を感じるのはファンだけか。この語彙力の源を知るには『本屋さんで待ち合わせ』を即刻読んで、そこに紹介される数多の本を順番に読むしかないのだろう…長き道のりだ。
 個人的には、最近のものより妄想が爆走しているように感じられ、特に、旅番組のキャキャスティング妄想が好きだ。ぜひ、こんなキャスティングをしてほしいものだが、17年たっても実現されたのは原田龍二だけなのは、テレビ関係者は本を読まないのか、あるいはなにかの陰謀なのか…と考えたりする。

#乙女なげやり #三浦しをん #エッセイ #読書感想文

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