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宮部みゆき「きたきた捕物帖」

読書記録6つ目。

宮部みゆき「きたきた捕物帖」(PHP文芸文庫、2022年)

宮部みゆきの時代物(捕物帖)。
先日、久しぶりに本屋に行った際に見かけて購入し、早速読了。


あらすじ

まだ下っ端の見習い岡っ引きの北一(16歳)は、亡くなった千吉親分の本業だった文庫売り(本や小間物を入れる箱を売る商売)で生計を立てている。やがて自前の文庫をつくり、売ることができる日を夢見て……。
北一が、相棒・喜多次と出逢い、親分のおかみさんの協力を得て自立し、事件や不思議な出来事を解き明かしていく、優しさあふれる捕物帖。


「宮部みゆきは間違いがない」との信頼(盲信?)の元に、あらすじだけさらっと読んで購入。
結果として間違いなかった。確信。

何が間違いがないかというと「真っ当さ」だと感じている。

理不尽な事や、腹立つ人やログでなしも出てくるが、基本的に主人公は「真っ当」な人だ。
もちろん完璧ではないし、今回の主人公の北一は貧相で格好良くもないが、人柄が良い16歳のその日暮らしの文庫売り。
その人柄や周囲の人の力を借りて、誰かの役に立ったり、身を立てたりしていく。

他のシリーズもそうだが、決して主人公たちは基本的に身持ちを崩すことはない。
人を殺すこともない。善き人だ。

その「真っ当さ」が私にとっての安心であり救いだ。

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