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【おすすめ本】主体性をもち「不要不急か」を決める ~『不要不急』を読みました~

おはようございます、tamamioです(^^)皆さん、このニュースをご覧になられましたか?そして、どう思われましたか?

もう数日前のニュースになってしまいました。政府も「問題視せず」との見解を示しています。

この一連の出来事で、矛盾、そして「言ってはいけない真実」が表面化しました。

日本政府には「私たちの代表」として抗議とか、ポーズだけでもいいので「それなりの行動」を示してほしかった。情けない。

1 こんな時こそ「苦境と向き合う仏教の智慧」

実は、このニュースが流れる前に、noteで紹介したかった本があったのです。本日の本はこちらです、ドン。

なんか、今回の出来事とピッタリ過ぎてびっくりしました。この本の紹介は、副題が全てを表しています。「苦境と向き合う仏教の智慧」。

「不要不急の外出自粛」を要請されて戸惑い、喪失感を覚えるのは、一般の私たちもお坊さんも同じ。そんな10人のお坊さんが「不要不急」をどうとらえるか、どう向き合うかを、それぞれの宗派の教えをもとに述べています。

どの方のお話も心に染み「ああ、そうだなぁ」と、心がほぐれていくのが分かりました。本書は、この「不要不急」に対しての明確な答えが書いてあるわけではありません。

ただ「私の宗派では、そして私はこう考えますよ。こういうことではないでしょうか」と、優しく寄り添ってくれる本です。「不要不急っていったい何?」と疑問をもつ、私のような方にお勧めの一冊です。

2 お前はお前の主人公か?主体性をもち「決める」

どの方のお話も良かったのですが、特に私に響いたのは藤田一照氏の「お前はお前の主人公か?」です。氏曰く、

その外出や移動が果たして不要不急かどうかを自分自身に向かって問い、自分の判断で決めるのではなく、そういうことを一切せずに周りの”空気”を読んでただそれに従っているのだとすれば(太字tamamio/p68)

そう、本来「不要不急」は人によって違うはずです。

自分にとっての不要不急を問うというのは言い換えれば、自分の本当の要求とは何かを再確認することです。それが見つからなければ、他人や世間に下駄を預けるしかありません。(太字tamamio/p68)

自分の要求と向き合い「自分はこれを求めているんだ、こうしなければ健康でいられないんだ」と判断する。そして、きっちりと感染対策をした上で行動する。本来はこうして主体的に行動して良いはずなのです。

藤田氏が通ったヨーガ教室の先生は、こんなことを言っていました。

「必死の思いでヨーガのレッスンを受けに来る人たちがいるので、感染対策をしながらヨーガ教室はずっと休まずに続けています」(p70)

生徒さんの安全確保のため教室をお休みするのも、感染対策をしながら休まずに続けるのも、どちらも正解。判断の基準は「主体性」なのです。

また、「『不要不急』という禅問答」で細川普輔氏は次のように述べています。

何が不要不急であるか、私は知らず知らずのうちに社会の概念に判断を仰いでしまっていました。するとどうしても主体性がなくなり、「やらされる自粛」になってしまいます。(太字tamamio/p47)

ここでつながりました。主体性を育てる教育。

私はやぱりこれをしなければいけないんだ、と再認識しました。気付いて良かった。

3 世論を作って誘導する姿は「まるで戦前」

さらに、noteでも記事を書かれている松本紹圭(まつもとしょうけい)氏の執筆もあります。「お坊さんのようで、お坊さんでない」松本氏。新しいお坊さんの形を体現されていて、とても興味深い方です。

松本氏の論の中心は本来違うところにあるのですが、「主体性」という切り口で見ると、次のように述べられています。

「不要不急」の言葉を使うことによって、問題を回避しつつ、自ら望む方向に国民を誘導するという意味では、政府のメッセージには一定の効果はあったと思う。(中略)「あなたの自分勝手な行動が、あなたのみならず全体の調和を壊すのです」という全体主義的道徳観への訴えかけがなされたとするならば(p201)

世論を作って、主体的に動いているように見せかけて、その実、自分達の望む方向に国民を誘導するって、まるで戦前ではないですか。自分の頭で考えて、自分の行動を決めたいと思いました。

ところで、松本氏の主題は「今こそ長期思考を取り戻す」です。このお盆にぴったりな主題ですので、後日改めて発信します。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。もうすぐお盆ですね。実家のお墓参りは叶いませんが、夫の家のお墓参りをしっかりしたいと思います。

では、今日も素敵な一日を!そして、Enjoy Summer!
梅雨末期の再来、とか、言わないで!


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