サッカー好きで鉄道好き

長男はとあるJリーグのサッカークラブのサポーターである。長男が小学校低学年の頃に夫の提案で家族でスタジアムに試合を観に行くことになったのだが、長男は完全にハマってしまった。

もちろん私もスタジアムでの観戦は楽しかったし、サポーターとファンが一体となって歌い、応援し、飛び跳ねる雰囲気はとても楽しくて興奮した。

しかし、長男のハマり方は尋常ではなかった。四六時中そのサッカークラブのことやJリーグチームのことで頭がいっぱいなのである。その知識たるや物凄く、◯年にどこのチームが優勝したか降格したか昇格したかはもちろん、◯年の第◯節の試合の勝敗まで詳細に記憶しているのだ。

サッカーにハマる前の幼少の頃は、電車にハマっていた。愛読書だった電車の図鑑の内容はすべて頭に入っているようで、電車をチラッと見ただけで◯系と言い当てていた。そのうち鉄道スタンプにハマり、駅のスタンプを制覇すべく家族であちこち彷徨った。

そんな長男が春休みに関東で開催されるアウェイの試合を観に行きたいと言い出した。関西在住なので簡単なことではない。軽い気持ちで青春18切符ででも行ってくれば?と言ってみたら目の色が変わった。切符について調べ、時刻を調べ、アウェイのチケットをコンビニで購入し、提案した翌朝本当に一人で出掛けてしまった。

突飛な行動だったが、中学を卒業してようやくスマートフォンを持つようになったのであまり心配はしていなかった。いつでも繋がっていると思っていたからだ。

ところが、モバイルバッテリーを持っていたにも関わらず、試合終了後に長男のスマートフォンの電池がきれてしまった…。私の実家が関東なのでその日は実家に泊めてもらう予定にしていたのだが、私の両親も私も長男と連絡をとれないことにひどく焦った。電池がきれてしまった携帯はまったく意味をなさないことに気づいた。

なすすべもなく長男の帰宅をいまかいまかと待ちわびた両親の元に長男は飄々と現れたそうだ…。

そして翌日、また電車をたくさん乗り継いで長男は我が家に帰ってきた。青春18切符の素晴らしさについて熱く語り、夏にまた行きたいと何度も話してくれた。

#エッセイ #日記 #コラム #青春18切符 #Jリーグ



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