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暑い夏の夜が恋しくて

太陽の熱に溶かされて、全身が汗だくになるほど暑い日の夜は、ヌルヌルとあえて油の匂いと煙りが立ち込める居酒屋に行きたい。

道路に面したクーラーの効かない席で、手を伸ばすと誰かに触れてしまいそうな距離感で、アツアツの揚げ物とキンキンに冷えたビールを飲み、夜風にあたり涼みたい。

触れたら汚してしまいそうな油にまみれた手で、それでも触れたい誰かが横にいて。旅先で見た景色や、行ってみたい場所の話を聞きたい。その場に自分がいることを想像しながら。

溶けるほど暑い夏の夜が好き。




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