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Pharoah Sanders"Love In Us All"にまつわるいくつかの意見

Pharoah Sanders"Love In Us All"、A面の"Love Is Everywhere"。

この曲の、スピリチュアルジャズでよく使われそうな「天上の響き」って表現は、よく聴くとアフターでかけられたリバーブ(スタジオのナチュラルリバーブではないと思う)による部分が大きそう。
私は、勝手にDJの先輩だと思っている、もう閉店したDJバーのマスターから「オリジナル盤」の存在を教えてもらったため、どうしても足を踏み入れてみたく、恐れ多くも原盤のアナログを持っています。
CD盤との大きな違いは、アナログ盤は拍子抜けするほど音量が小さく、買ってすぐは頭に?を浮かべながらボリュームをあげたのですが、先述のリバーブ、そして各楽器の分離を再生しようとすると、この音の小ささに納得します。CD盤は全体のボリュームが大きくなり、いわゆるコンプがかかってしまうため、サックスのクリアトーンやピアノの響きの魅力が、損なわれている気がします。
今現在、この曲が輝き続けている理由は、各方面で話に上がる、5分すぎからのピアノソロの立ち上がりの美しさ。具体的には、ハウスのDJがこのピアノソロからスムースにミックスして、フロアに静かな盛り上がりを作り上げる瞬間。これは、ひょっとしたら、伝説のディスコ「パラダイス・ガラージ」でピークタイムにプレイされたことで、曲の魂がもう一度蘇ったこと、そして、今もその換骨奪胎が有効であることを夢見ることができるからかもしれない、そう思っています。

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