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〜6月「仲夏」の養生法〜

6月は二十四節気でいう「芒種」「夏至」が訪れます。

「芒種」の「芒」とはイネ科植物の穂先にある毛のような部分のことで、「芒種」は稲や麦など穂のつく穀物の種をまく時期という意味です。野山では梅の実が青から黄色に色づき、カマキリや蛍が現れ始めます。芒種の期間は、梅や梅シロップ、梅干しなどを漬けこんで手仕事をするのがおすすめです。

「夏至」は「夏に至る」と書くように、この日を過ぎると本格的な夏の到来とされてきました。
北半球では太陽が1年で最も高い位置にきて、昼間が一番長い日になります。
一年で昼間が最も長く、夜が最も短い日。冬至と比較すると、昼間の時間差は4時間以上もあります。暦の上では夏季の真ん中のあたりますが、実際に日本では梅雨の真っ盛りで、雨や曇りで日照時間が短くなり、あまり日の長さを実感できないかもしれません。
暦の上では夏の折り返し地点にあたり、夏至を過ぎると暑さが増して本格的な夏がやってきます。暑さのピークは1ヶ月ほど先になります。

この時期には…

・1年で最も活発で体の新陳代謝も上がるため、しっかり保養する(睡眠や食事)
・汗によって失われがちな津液を補う
・食べ物が腐敗しやすく、食中毒や下痢に注意
・冷たいものの摂りすぎに注意する
・湿が溜まると体が重だるく感じやすいため、あっさりした食事を心がける
・苦味の食材で「心」を養う
・弱りがちな「心」をサポートするために、「肝」(木生火)「肺」(火克金)を養う

是非、これらを意識して過ごしてみてください。

「心」を養い、本格的な暑さに向けての準備を。

6月「仲夏」のころ、日本では梅雨で高温多湿になります。
湿度が高すぎるとうまく汗がかけず、体内に熱がこもったり、余分な水分が溜まる事もあります。「身体が重い」「頭が痛む・重い」「めまい・立ちくらみがする」「車酔いしやすい」「悪心・嘔吐がある」などは、体内の水の滞りのサインです。このような状態を中医学では”水滞”と呼びます。

湿気が多いと消化機能(脾臓・胃)が弱くなり、下痢をしたり、むくみ、倦怠感などの症状が起こりがちです。なるべく消化に負担がかからないように食事はあっさりしたものを選びましょう。脂っこいもの、甘いもの、味の濃いものは体内の「湿 = 余分な水分・痰 」を増やすので控えめに。お酒も身体に「水」をため込みますのでほどほどに。

この時期の食養生としては、身体の中の水や熱を上手に出す食材、例えば小豆・緑豆・はと麦・もやし・スイカ・メロンなどの瓜科の野菜がおすすめです。特に、浮腫みやすい方は、小豆茶やはと麦ご飯・はと麦茶など取り入れてみて。

また、梅雨時期に体調を崩しやすい方は、体の冷えの強いことも多いので芯部を温めることも大切です。冷房で身体を冷やさないこと、冷たい飲食物を控えることが大切です。
夏野菜(瓜・茄子・トマトなど)は、生ではなく茹でる・炒めるなどして加熱調理することがお勧めです。甘いものやフルーツも身体を冷やしますので、摂りすぎないようにご注意を。
胃腸の機能を助ける食材、穀物や芋類・かぼちゃも取り入れて、梅雨の後の本格的な夏に向けて身体を整えていきましょう。


次回からは、「仲夏」におすすめの養生レシピをお届けします。お楽しみに!

▼6月「仲夏」メニュー
・揚げなすと3色ピーマンの香味だれ
・初夏野菜と海藻のテリーヌ 
・鰯と根菜の八丁味噌煮
・あさりとトマトのピリ辛味噌

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