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19年ぶりに映画館で観た『千と千尋の神隠し』

先月、映画館で特別上映中の『千と千尋の神隠し』を観た。

『千と千尋の神隠し』が初公開されたのは2001年7月。
当時小学1年生の私は映画館で初めてジブリ作品を観た。

今回、19年ぶりに映画館で観たことになる。

久しぶりに映画館という同じ環境で同じ作品を観て気づいた。

7歳の私と26歳の私。
同じ映画のはずなのに、いつのまにか見方が変わっていた。

『千と千尋の神隠し』が映画館で特別上映されると知った時、「これは絶対観に行かないと!」と思った。

ジブリの中でも一番好きな作品。
自然と当時映画館で見た時の興奮が蘇った。
千尋が不思議な世界に迷い込み、体験する数々に夢中になり、どきどきしながらスクリーンを観ていた。

19年ぶりに映画館でみる『千と千尋の神隠し』。きっと感動するに違いないと観る前から謎に確信していた。

映画館に行く前夜は映画のことで頭がいっぱいでなんだか遠足に行く前の子供みたいだった。

足取り軽やかに到着した映画館の席はすべて一つ間隔で座るようになっており、より映画に没頭できるなと思った。

映画が始まると、「そうそうこうだったよね」「あ、ここ、こんな風に描かれてたんだ」「やっぱ音楽いいなぁ」と、細かいところに目がいったり、懐かしく感じたり、久しぶりのジブリにどっぷり浸った。

そして次々出てくる魅力的な登場人物たち。

千尋、まだ子供なのにめげずに一生懸命働いてて偉いなぁ。
最初はあんなに不安げでおどおどしてたのに、徐々に何事にも動じないしっかりと自立した子になっていて成長がすごいなぁ。

ーところで私はどうだろう。私はこんなに真っ直ぐな心でしっかりと生きているだろうか。

カオナシは一人で寂しかったんだろうなぁ。
銭婆のところでようやく自分の居場所を見つけられてよかった。

ーところで私はどうだろう。私がやりたいこと、ここが私の居場所だと思える場所を見つけたのだろうか。

映画を観ている途中に、ふと現実の私に立ち戻り、自分自身について振り返ってしまう瞬間が多々あった。

この映画を始めて観た7歳の時、こんなことは絶対になかった。
ただひたすらに、主人公千尋に自分を重ね、ドキドキしたりわくわくしたり手汗握ったり、どこまでも映画に没入していたはずだ。

そのことに気付いた時愕然とした。
同じ映画を観たはずなので、こんなに見方が変わるなんて。

今の私では、ただひたすらに映画だけを楽しむことなんてできない。
どうしてもふとした瞬間に現実と紐づけてしまう。

だけど、同時にそれもいいなと思う。
同じ映画でも、そこから受ける感じ方、見方は年齢や経験と共に変わる。

5年後の自分はこの映画を観た時どう感じるのだろうか、
10年後の自分は、
20年後の自分は…

いつか銭婆の目線で共感しながら観ることがあるのだろうか。

なんだかこれから先、人生の節々でこの映画を観る時が楽しみだ。


『千と千尋の神隠し』は私の一生モノの映画になりそう。



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