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「癒しの哲学」4つのエレメントと癒し ⑤四大元素と自然治癒力~医学の父ヒポクラテスと四体液説~

9/27第五回目は「四大元素と自然治癒力」~医学の父ヒポクラテスと四体液説~です。
4体液説も4つのエレメントと関係しております。では早速学んでまいりましょう~!

☆ギリシアの哲学者たちは自分たちを取り巻く自然界に現れていることや起こっている変化を理解するため、こうした現象を生じさせている自然の根源を明らかにしようとした。この議論は、エンペドクレスによってひとつの解決を見た。

★エンペドクレス(BC490~)シチリア生まれ
哲学者としてだけではなく、政治家、弁論家、医者、祭司、予言者、魔法使いの顔をもつ。
これまで個々別に説明されてきた各アルケーを、火・地・風・水の四種類に分け、それらの混合と分離によって、万物の生成・消滅がおこなわれると説明した。
エンペドクレスの考えは、偉大な哲学者プラトンとアリストテレスによって、彼らの物理的宇宙に関する理論に組み込まれて以降、ギリシアの物理学と自然哲学における地位を確立した。

★ヒポクラテス(BC460~)ギリシャの医者
「医学の父」と呼ばれる。四大元素を土台とした医学モデルを展開し、四大元素おのおのの特徴を、身体内を流れる四種類の体液に割りふった。病気は、4種類の体液の混合に変調が生じた時に起こるという四体液説を唱えた。また人間のおかれた環境(自然環境、政治的環境)が健康に及ぼす影響についても先駆的な著作をのこしている。

ちなみに、彼の重要な功績のひとつに、医学を原始的な迷信や呪術から切り離して、臨床と観察を重んじる経験科学へと発展させたことが挙げられる。

☆ヒポクラテスの名言
・心に起きることはすべて体に影響し、体に起きることもまた心に影響する
・人は身体の中に100人の名医を持っている。その100人の名医とは自然治癒力
・病を治すのは医師ではなく身体である
・人は自然から遠ざかるほど病気になる
・幸運は大胆な人たちに笑いかける

ワタシ:4つのエレメントの組み合わせが人体の中でも影響しているんですね。

★クラウディウス・ガレノス(129~)ギリシャの医学者
☆「ガレノスの4気質論」
多血質・粘液質・胆汁質・憂うつ質(黒胆汁質)は、体内における体液のバランスをベースとしている。どれかひとつの体液が過度に増加すると、それに対応する人格類型が支配的となる。

また、人は特定の気質への傾きをもって生まれてくるが、気質の問題が体液のアンバランスによって惹きおこされる以上、そうした人は食事と適度な運動(パフォーマンス)によって回復する可能性がある。と唱えた。

★サレルノ養生訓
イタリア・ナポリから50km南下するとサレルノの町があります。8世紀に世界最古の医学校が創設され、同時に病院も併設、現代医療制度の夜明けとなった地です。
ここに一冊の健康に関する読本=サレルノ養生訓が作られ、 これが英仏など各国語に訳されて全欧に普及しました。原書では、全編ラテン語の詩の形をとって書かれ、食養生(ダイエット)を中心に、入浴法や睡眠など、今日の言葉でいえば、生活習慣に関する注意事項を予防医学の見地から、 一般大衆にわかりやすく解説しています。

・この本の中から、四体液説について。
胆汁質(火):荒々しい性格で熱血漢、短気で行動的、野心も強い。気前がいいが傲慢で、意地悪で気難しい面もある。消化力が高く大食だが、やつれて見える。
黒胆汁質(地):寡黙で頑固、孤独癖があり、運動も休養も社交も好まない。強欲で倹約家、利己的で根に持つタイプ。神経質で、注意深く明敏、勤勉で、一人で思索に耽ってばかりいる。
多血質(風):人柄は機嫌よく社交的で、ずうずうしいが気前もいい。先のことは考えず、心変わりしやすい。娯楽が好きで好色であり、教養とは無縁のタイプ。
粘液質(水):精神的に鈍く優柔不断で臆病だが、おだやかで公平、人を騙したりしない。背は高くなく太っており、食べることが好きで運動や努力が嫌い。


☆ここで、おすすめ本!
「4つの気質と個性のしくみ」 シュタイナーの人間観
ヘルムート エラー(著)鳥山 雅代(訳)

物質体(肉体):私たち人間の体の中には、さまざまなミネラルの成分があります。たとえば、鉄分やカルシウムなどもミネラルの一つです。ミネラルは、自然界に存在する鉱物に含まれています。鉱物は、物理的な法則にしたがっているのです。この私たちの中にあるミネラルを含む部分を、シュタイナーは「物質体」と呼んでいます。
物質体は、人間が死んだら自分のかたちを保つことができなくなり、数分後には解体への道を歩みはじめます。屍は朽ちはて、いずれは四元素の中の「地の要素」に戻ります。このことからも、物質体は地の要素をもっているといえます。人間が生きている間は、この物質体が朽ちないよう、常に別の力が働いているのです。

生命体(エーテル体):植物には鉱物やミネラルにはない、ある重要な能力があります。それは「生長する」ことです。植物は、花を咲かせ、実をつけ
、種をつくり、次の芽ぶきの準備をする「繁殖」の能力をもっています。では植物は、四元素のうち、どの要素といちばん深いつながりがあるのでしょうか。鉱物は水がなくてもひからびることはありませんし、水を与えても植物のように繁殖するわけでもありません。植物や動物、人間のように、育つこともありません。鉱物には生命力がないのです。生命力をもっている植物や動物、人間は、水を必要とします。
この生命力がなくなると、命あるものは死んでしまいます。生命力が体の中に流れているからこそ、命あるものは生きているあいだは朽ちることなく、生命を維持することができるのです。シュタイナーはこの生命力を、一つの体として見ていました。それが体の中にある生命の力としての「生命体」です。彼は、この生命力を「エーテル体」と呼ぶこともあります。
人間の場合、この生命力は、身体を流れる液体と関係しています。汗をかいて新陳代謝を活発にし、元気でいきいきとした体を保つために、つねに働いています。また、病気になった私たちの体をふたたび回復させるのが、この生命体です。

感情体(アストラル体):植物になくて動物にあるものは何でしょうか。動物は空腹になると獲物を探しに出かけるが、植物はそういうことをしません。動物は感覚、感情を持っているが、植物は持っていません。
このように、体からわきおこる感覚や感情のことを、シュタイナーは「感情体」あるいは 「アストラル体」と呼んでいます。感情体は、空腹になると何か食べたいと思ったり、喜びや悲しみなどを感じたりすることができます。
この感情体は、呼吸と深く関係しています。呼吸はもちろん空気と関係
しています。つまり感情体は、四元素の中の「空気の要素」と関係があるのです。

自我(ich):鉱物、植物、動物にはなくて、人間だけあるものは何でしょう。それは三つあります。一つ目は「直立歩行できる」こと。二つ目
は「言葉を話せる」こと。三つ目は「考える」ことです。
「自分」という意識がもてるためには、「直立歩行する」「言葉を話す」「考える」 ことが必要であり、動物が自己意識をもてないのは、これらのことができないからなのです。
私という意識は、人間のもつ能力です。だれもが自分のことを「私」と言います。第三者のことを「私」とは言いません。 それぞれの「私」はまったくちがう個性をもち、同じ「私」は一人もいません。世界にたった一人です。この「私」という力を「自我」と名づけましょう。
では、私たちの「自我」の力は、四元素の何とつながっているのでしょうか。自我の力が働くとき、人間の体はかならず熱くなります。何かに燃えるように自我が働いているときの感情を、炎や火にたとえることがあります。このように、人間の「自我」は、火の要素と深い関係があるのです。

☆これがシュタイナーのアントロポゾフィーの基礎になる、人間の四つの要素です。人間は、誰でもこの四つの要素をもっているのです。そして、この四つの要素は、四元素と深くかかわっています。
さらに、人間の主要臓器の中では、
・心臓は「熱(火)」=自我の要素
・腎臓は「気体(風)」=アストラル体」の要素
・肝臓は「水」の要素=エーテル体と、
・肺は「地」の要素=肉体と、関連を持っています。

★物理学の4つの力
素粒子の間に働く4つの力は
電磁気力、弱い力、強い力、重力である。

☆プラトンは、四元素は複合体であり、分解できるばかりでなく、相互転化するとして、
・「地」は正六面体、
・「水」は正二十面体、水」は正二十面体、
・「空気」は正八面体、
・「火」は正四面体とし、
ひとつの正多面体が基本の三角形に解体して別の正多面体を作ることで、元素から元素への転嫁が起こると解釈した。

★プラトンのイデア論
私たちは完全な三角形というものを作り出すことも、描くことも見たこともありません。それなのに私たちは完全な三角形というものを理解することができます。私たちの頭の中にだけあるこの完全な三角形のことを、三角形のイデアといいます。プラトンは花には花のイデア、木には木のイデアがあると考えました。
プラトンはイデアが頭の中だけにあるものではなく、本当に存在すると考えていました。彼は、イデアが存在する世界を「イデア界」、私たちが住んでいるこの世界を「現象界」、そして現象界に存在する物事を「現象」と呼びます。同じように、現象界の善や美や正義などは、イデア界にあるそれらの模造品だとプラトンは言います。つまり真の善や美や正義を知るためにはそれらのイデアを探究しなくてはならないとプラトンは考えました。

以上、気になる部分をピックアップしてみました。

【まとめ】

ということで、ワタシにとっての四大元素と自然治癒力とは。

⇒からだと心の成り立ちを知ることで基本を学ぶことができたかと思います。体や心の状態を知ることで、4つのエレメントの何が多いのか、少ないのか、この人に今必要なのはどのような癒しの手法なのか。
と、施す方法を探ることができるなと思いました。
他人に限らず、自分もセルフヒーリングのために活用できるかと思います。また、単純に「体って面白いなあ」と思いました。
まさに「宇宙」ですね!

☆☆☆
次回は10月21日から連続5回講座「癒しの源流」が開催されます。
「花」や「色」や「音」や「気」や「数」について。
今からワクワクしています。また受講しましたら学びのおすそ分けをいたします!


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