「風の時代 病気をかわす生き方シリーズ 」 第2回「循環障害のココロ」①


3月はおのころ先生の「風の時代 病気をかわす生き方シリーズ」第2回目「循環障害のココロ」が開講されました。

循環器というとカラダ全身に張り巡らされた「血管」や「心臓」をイメージします。さて、その循環器の障害って私たちの体にどんな影響を及ぼすのでしょうか?

今回もまずは某感染症の最新情報からスタート!
ふむふむ。なるほど。ということで、循環障害のココロの旅を始めましょう!


東洋医学では、「体の中の すべてのものは絶えず流れ ていてその状態こそが健康 」という健康観が土台になっ ています。

そして、その 「流れ」が何 らかの理由で停滞すると、 不調や病気が生じると考えるのです。リンパ液の流れは左右非対称。 静脈合流。


②がんや新型ウイルス重症化のしくみ

正常な組織は組織内より血管内の方が圧力が高く、血液中の物質は圧力の高い方から低い方へ、血管組織へと流れます。


しかし、がんの血管は通常、未成熟で、血管を作る壁がしっかりとできていないため非常に漏れやすくなっています。
血液が漏れ出て、がん組織内が「水浸し状態」になり、血管が圧力を保てなくなっています。(この状態を「血管の透過性が亢進している」という)
これはがんだけでなく、「炎症」でも起こります。

「炎症」は免疫反応です。
ウイルスなどの外敵が体内に入ると排除するために、マクロファージ好中球などの免疫細胞が出動しますが、免疫反応を起こす「サイトカイン」というたんぱく質も分泌され、この働きで血管の透過性を上げて、血管から組織へと免疫細胞を移動しやすくしています。

それだけならいいのですが、
新型ウイルスでは、サイトカインが過剰に放出される「サイトカインストーム」が生じ、全身で炎症が起きて、重症化することがあります。
血管の内側を覆う「血管内皮細胞」という細胞に新型ウイルスが感染すると、血管の構造がどのように異常になるか…。

血管内皮細胞の表面には「ACE2」というたんぱく質があり、新型ウイルスが取りついて感染することがわかっています。

このたんぱく質は傷ついた血管を治そうとするときに増えることがわかっています。お年寄りや高血糖の方の血管は傷ついており、傷ついた血管は細胞表面にACE2が増えているので、ウイルスが取りついて細胞の中に入りやすい状態なのです。弱った血管を狙って入ってくるウイルスなのです。

ウイルスが感染すると、炎症が起こり、どんどん透過性が上がり、さらにウイルスが入ってきて、感染のホットスポットになってしまいます。

また、感染した場所では、どんどん免疫細胞が集まり、炎症が生じます。すると免疫反応を起こすサイトカインの働きで血管の透過性が上がり、血液が漏れないように止血の働きがある血小板も入ってきます。

ほかの細胞もいっぱい寄ってきてるので、血小板で細胞と細胞が結び付けられて、血の塊ができてしまいます。それが血栓となって、ほかの場所に飛んで血管を詰まらせることがあります。

脳で詰まると「脳梗塞」、肺で詰まると「肺血栓感染症」に。新型ウイルスは全身の組織にたどり着けてしまうし、感染していない場所でも血栓によって間接的に組織にダメージを与えることもある。本当にやっかいなウイルスです。

→(ワタシの感想)血管を作る壁がしっかりしていないと、結局、がんやウイルスの標的となってしまう。。。しかも、弱った血管を狙ってくるというウイルス…。おそるべし。


③毛細血管ゴースト化

毛細血管は「血管内皮細胞」が接着して形成される1層構造で、その周囲に「壁細胞」が張り付くことで筒状の形状を保っている。

血管内皮細胞の間には適当な隙間があって、この隙間こそが細胞とのやり取りに活躍する出入口となる。この隙間を適当に調整しているのが「壁細胞」なのです。

壁細胞が毛細血管の周囲に張り付いていれば、血液成分が漏れすぎないように隙間をコントロールできます。
しかし、悪い生活習慣加齢の影響により、壁細胞がはがれてしまうと血管内皮細胞の接着がゆるんで、大きく開きすぎた隙間から、血液成分が必要以上に漏れ出てしまい、やがて血流も止まってしまうのです。

毛細血管のゴースト化「ねじれ」「拡張」「漏れ」が慢性的に生じてくると起こってきます。
顔色の悪さ体の冷え毛髪の細りなどに影響が出て、さらに体の内部に病気が発症している恐れもあります。


◆「がん細胞はゴースト血管を悪用する。」

癌細胞は増殖するエネルギーに酸素をさほど必要としないため、癌細胞の周囲は常に「低酸素状態」で「酸欠ゾーン」となります。
人間の組織細胞は低酸素の場所があると、「血管新生」という作用で新しい毛細血管を作って酸素を送ろうとしますが、
がん細胞に悪用されて、ゴースト血管ばかりが形成されてしまうのです。

がん細胞は「酸素のない」嫌気的環境を好むため、毛細血管をゴースト血管状態で増やします。

一方、がん細胞を攻撃する免疫細胞は「酸素を必要とする」ため、ゴースト血管の中では力を失うこととなります。

こうして、癌細胞は血管内皮細胞が分泌する成長因子による信号だけを巧みに悪用して、どんどん増殖していくのです。


以上、主に血管についてのトピックでした。なるほど。。
次回は心臓に関する話題に続きます。

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