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クイーンズ駅伝 個人的見どころ

今週末に行われるクイーンズ駅伝のプレビューです。

昨年の結果の大雑把な振り返り

昨年のクイーンズ駅伝は、積水化学の優勝でした。
1区、森選手が区間9位、トップと許容範囲内の差で繋ぐと、2区中距離選手の卜部選手が区間賞で差を詰め、5位まで押し上げます。エース区間の3区で佐藤選手が爆走、区間2位の走りでトップに立ち、2位との差を34秒まで広げます。4区を堅実に繋ぐと、5区、大エース新谷選手も本調子でないながらも区間2位で、2位との差は十分に保ってアンカーへ。アンカー若手成長株の佐々木選手が区間2位で差を広げてゴール、と、ほぼ完璧なレースで優勝しました。
2位は、プリンセス駅伝から上がってきた資生堂。1区で木村選手が激烈な区間賞争い(区間2位)で抜け出しますが、2区で3位に落ち積水との差も4秒差まで詰まります。エース区間3区は佐藤成葉選手が区間6位で粘り、インターナショナル区間4区で爆走が期待されたジュディ選手に繋ぎますが、少し期待はずれの区間8位で差を詰めきれず。5区五島選手が大爆走、日本トップの新谷選手を上回る区間賞で追い上げますが、アンカー実績ある高島選手が追いきれず、健闘及ばず2位でした。
3位は堅実に繋いだデンソー、4位はエース鈴木選手が1区で大ブレーキになったのを3区廣中選手の大爆走で追い上げた日本郵政、続いてダイハツ、ヤマダ、ユニバーサル、ワコールがシード獲得でした。天満屋、パナソニックがまさかのシード落ちと波乱の結果となりました。

それで、シード落ちしたチームから、今年のプリンセス駅伝で上がってきた16チームの計24チームで優勝を争います。プリンセス駅伝はパナソニックが優勝でした。

ここで書いたように、プリンセスのトップ4は差が小さく、どこもクイーンズ駅伝でかなりやれそうです。
という事で、優勝争いを占って見ましょう。

優勝争いは 本命・資生堂で 対抗・積水化学

上のプリンセス駅伝の記事では、本命資生堂で対抗パナソニックと書きましたが、東日本駅伝で新谷選手の復調が確認できましたので、対抗を積水に変更します。

資生堂は一山選手移籍加入で戦力充実

資生堂は去年、積水と接戦を演じましたが、そこから日本トップ選手の一山選手が加入しました。一山選手は好調ならエース区間で区間上位で走れる選手。これで資生堂はエース区間を走れる選手が4人も揃う事になります。去年3区6位の佐藤成葉選手、5区区間賞の五島選手、3区で区間賞を何回も取っている高島選手と一山選手の中で調子の良い選手を使うことができます。これでエース区間を共に上位で繋げそうですし、特に五島選手は充実していて積水の両エースにも互角に戦えそうです。それ以外では、1区には木村選手がいますし、インターナショナル区間もジュディ選手は本来なら区間賞争いする選手で、日本人選手で6番目の選手が走る積水から大きく上回れる区間です。

積水化学の昨年からの上がり目

ただ、積水化学も昨年より良い要素もあります。まず森選手が好調、アンカー2位だった佐々木選手も、それが自信になったか大きく成長しています。また新谷選手が復調していて、一昨年のような爆走が期待できそうです。佐藤沙也加選手の調子が気になりますが、新谷選手の上がり目でその分は十分に埋まりそうです。この2チームの争いはかなり高レベルになりそうですね。

それ以外のチームは

この2チームに対抗するのは、やはり日本郵政になるでしょう。去年は鍋島選手が移籍して戦力的に厳しいところ、エース鈴木選手が東京五輪の疲れが抜けきれずに失速して、優勝争いに絡めませんでした。しかし、今年は鈴木選手がベルリンマラソンで好走していて復調していると考えられるので、廣中・鈴木の両エースは積水と互角以上に戦えるはずです。ただ、それ以外の区間が2強に比べると劣りそうです。太田選手や大西選手で1区を乗り切れば面白いかもしれません。もしくは名城大でエースだった和田選手が1区をまとめてくれると、2強と互角に戦えるかもしれません。
他のシードチームでは、加世田選手が成長して松田選手との両エースは強いダイハツも安定して上位で戦えそうです。
去年3位のデンソーは、去年3区4位の矢田選手がエディオンに、6区3位の松田杏奈選手が三井住友に移籍してしまい、戦力的に厳しいように思います。新戦力の台頭はあるか。6位のヤマダ、8位のワコールもエース区間を走った石井選手、一山選手が居なくなって厳しいか。

一方、プリンセス駅伝から上がってきた所では、パナソニックが充実しているように見えます。1区スペシャリストの内藤選手が今年好調で、2区に強い渡邊選手が戻ってきました。堀選手がどういう状態か次第ですが、プリンセス駅伝ではエース区間を代役の中村選手・森田選手がまとめていて、堀選手が使えなくても上位の流れで戦えるはずです。あと天満屋がエース前田選手の復調次第で上位に来るかもしれません。九電工の逸木選手、日本生命の小海選手といったプリンセス駅伝爆走組がクイーンズ駅伝でどれくらいやるかも楽しみです。
あと気になるのはエディオンですね。プリンセス駅伝では奮いませんでしたが、戦力は揃っています。細谷選手もクイーンズ駅伝では走るでしょうし、移籍してきた矢田選手も去年のクイーンズではエース区間で上位で走っている選手です。西田選手がプリンセス駅伝でエース区間で区間上位で走っていて、エース区間を走る戦力は揃っています。萩谷選手の復調次第ではかなりやれるはずです。

あとは、優勝争いには関係なさそうですが、豊田自動織機で田中希実選手が走るのは楽しみですね。2区で卜部選手との中距離選手対決なんて面白そうです。

積水 vs 資生堂 シミュレーション

積水化学と資生堂の争いは、本当に僅差でレベルの高い争いになりそうなので、ちょっと詳細に検討してみようと思います。

まず1区、資生堂は木村選手でしょう。昨年も区間2位で激しい区間賞争いでトップ集団から抜け出しました。今年も区間賞候補で、ここは資生堂が強そうです。対する積水化学は、昨年は森選手でしたが、森選手は今シーズン絶好調で、色々な種目で自己新を連発しています。1区を走ったら昨年より小差で繋いでくれると思います。
2区は短い距離の区間で、積水化学は中距離ランナーの卜部選手がスピードを活かして区間賞争いをしそうです。昨年も区間賞で資生堂との差を大きく詰めました。ただし、資生堂も一山選手加入でエース区間の選手に余裕ができたので、そこの選手を回してくる事も可能です。オススメは佐藤成葉選手、大学時代は前半のスピード区間を担当して区間賞を取った事もある選手でスピードもある程度あります。それで差をある程度保つ事ができると後々に効いてくるでしょう。
3区は、積水化学は、今年はここに新谷選手を使ってくると思います。東日本駅伝ではさすがの走り、クイーンズ駅伝ではさらに状態を上げてくるでしょう。一昨年のような圧巻の走りをしてくれるかもしれません。資生堂は対抗できるのは五島選手しかいないでしょう。昨年は新谷選手を上回る区間賞、その勢いでトラックでも高記録を連発し、世界陸上代表まで上り詰めました。ただ、さすがに新谷選手と記録の差はあります。新谷選手が一昨年のような走りをすると、下手すると1分近い差が開くかもしれません。
4区は資生堂がジュディ選手で差を大きく詰めてくるはずです。30秒くらいまでの差なら逆転してもおかしくないです。それだけに3区で新谷選手がどれくらい差を開けるかがポイントになります。
5区。積水は佐藤沙也加選手でしょう。資生堂は、一山選手か高島選手か佐藤成葉選手か、調子の良い選手が来るでしょう。ここがどうなるかは佐藤選手の調子次第。去年の調子まで戻っていると、資生堂の調子の良い選手でも勝つのは難しいでしょうが、今シーズンはそこまでの走りができていません。そうなると、資生堂の3選手の中で調子の良い選手を使える事が生きてきそうです。
6区は積水の佐々木選手も力をつけていて、資生堂の一山選手・高島選手らと互角と見ます。なので、5区の勝負が全体の勝負に影響しそうです。

こう見ると、新谷選手と佐藤沙也加選手の両方が絶好調なら積水化学が、そうでなければ資生堂が有利なのかな、と思います。両方絶好調というのは難しいと思うので、資生堂を本命とみています。(つまり選手層は資生堂の方が上だろう、という事です。)

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