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2020年4月の記事一覧

Fire and Skill/ The Jam

The Jam の 77年のデビュー間もない100club から解散直前の82年の Wembly arena までの6年間を 毎年のライブを聴きながら 彼らの変遷がわかるBox。デビュー当時は モータウンのカバーが多いが、3rd アルバム All mod cons から芽ばえたオリジナル性とPaul Weller のソングライテイング(ストーリーテリング)の才能。Setting sons や Sound effects 後79年のライブで の英国トップバンドの貫禄.(当時のシ

New year’s eve concert 2015.12.31

たまたま泊まったホテルの隣にライブ会場があり、到着後 Allman brothers band がよく演奏したnew year eve の会場 だったあのビーコンシアターだと気付きました。オールマンが 解散状態の現在 、今年は オールマンの後期をTedeschi Trucks と共に支えたWarren Haynes のバンド Gov't Mule。運良く当日券で入れました。3時間以上の長丁場のライブはChuck Leavell などゲストも参加し、Allman ,Gratef

If you can dream/Elvis Presley

エルビス・プレスリー。残念ながら私が物心ついた頃、彼は 悪趣味なスーツを着てラスベガスで金持ち相手に歌う過去のスターのイメージで、ドーナツの食べ過ぎであっけなくなく亡くなってしまいました。 発売された時は 日本では ほとんど話題に上らなかった生誕80年を記念したこのアルバムはエルビスの声に、後からフィルハーモニックオーケストラの音をかぶせて アビーロードスタジオで録音された作品ですが、このような企画にありがちなわざとらしさはなく、エルビスのスケールが大きく陰影に富んだ歌声を

R.I.P. Holger Czukay(1938.03.24-2017.9.05)

Holgar おじさんという風貌でCANの時代よりほとんど年齢が変わってない感じだったHolger Czukay。その訃報に接し、ニューウエーブ、ポストパンク時代においても大変大きな存在のサウンドクリエータ―だったことを思い出します。ご冥福をお祈りします。 1.Holger Czukay / Rolf Dammers ‎– Canaxis 日本でのTVCMに使われたPersian Love の原型といわれる“Boat Woman Song”はエキゾチックさを持ち込んだサンプリ

PIER & LOFT/Hiroshi Yoshimura Music For Nine Post Cards/Hiroshi Yoshimura

企業がパトロンとして芸術家をサポートしたり、仕事を依頼したり、それがノベルティとして配られたり、展覧会が行われたりとバブルの時代は その”バブリー”な悪趣味さだけでなく、今まで商業ベースに乗らなかった様々なアーティストやその作品が世の中に紹介されたことは、大きな貢献だったと思います。最近世界的に再評価されているという日本の80年代に産み落とされた作品の中でも、今は亡き吉村弘氏の作品もその一つのようで、最近2枚のアナログを紹介してもらいました。 一枚は西武グループが、NYのロフ

Girl from the North Country/The Original London Cast Recording

ロンドンで上演された全曲Bob Dylan の作品を使用したミュージカルのサントラ。ライナーによると1930年代のミネスタのゲストハウスを舞台にしたストーリーでDylan の事務所に見せたところ 大変気にいられ、使用可能曲のリストと共にどのようにアレンジ、編集、つなぎ合わせも良いという許諾をもらったそうです。 全曲 静謐で落ちつた雰囲気にアレンジされていますが、 アメリカ音楽を体現したものとしてのBob Dylan の音楽への深い理解を感じられ、所謂エバーグリーンな楽曲だけ

Punch Brothers at Blue Note  2019.7.10

昨年の初来日は 行けなかったパンチ兄弟。ついにライブを観ることができました。 レコードで聴く以上にメンバー全員が超絶技巧な演奏でしたが、斬新なアプローチと音楽のルーツであるアイリッシュに戻ったような躍動感で、形式的な芸能となってしまったブルーグラスを最新型の音楽として蘇らせていました。抜群のアカペラも披露してくれて大満足のステージでした。それにしてもChris Thile は凄い

Mark Guiliana' Beat music Live 2019.07.14

最近 ジャズ系の若手ドラマーには注目株が多いですが、 David Bowieに遺作に参加したり、Brad Mehldauのデュオなど 彼は頭一つ抜けた感じです。 今夜は素晴らしい演奏だったのですが、最新の音なのに、昔聞いたことがある不思議な感じ抱きながら、ずっと聴いていました。安っぽいニューエーイジミュージックを時々想起させるシンセのメロディ、レゲエのスタイルなのにタメがないため、リラックスの部分が抜けて、無機的な緊張を醸し出す演奏。特に何か感情を呼び起こすわけではないけれ

Neneh Cherry in Japan 2019.08.19

彼女の事を知ったのDon Cherryの娘として New Age Steppers そして Rip Rig and Panicの頃。その後「Baffalo Stance」大ヒットし、Youssou Dourとのデユオ「7 Seconds」も欧州で大いに売れたわけですが、その後 ジャズとテクノが独自の進化を遂げたノルウエーの「small town super sound」に移籍し、凶暴ジャズトリオThe Thing と共演したり、Four TetやMassive attackの

原田知世『L’Heure Bleue』リリース・ツアー2019.11.19オーチャード・ホール

長く続く伊藤ゴローとのコラボレーション。”2Fの奥の席でしたが、やっと彼女のライブの機会に恵まれました。 弦楽カルテットやテインパニーも含めバンドによる練り上げられたアレンジと演奏。ステージの演出や照明効果も過不足なく、充実した心地良い時を過ごせました。  彼女がアーティストに変わった瞬間とも言えるスウェーディシュ・ポップの元締めトーレ・ヨハンセンによる北欧ポップの甘くゆる感じが日本のメンタリティとの親和性を感じさせる「ロマンス」や彼女のデビュー作品の主題歌「時をかける少女

「ハンバート家の平日」2019.12.19

僕が日本で一番好きなミュージシャン ハンバート ハンバートのライブを初めて観ることができました。 彼女達を教えてくれたのは、昔 通っていた今はなき下北沢の美容室「Sobei 」のマスター。 彼は佐藤さんがまだソロで「ラカーニャ」に投げ銭ライブをしていた時からの知り合い。 会場は閉館が決まっている中野サンプラザ。  以前 ここでよくNew Wave のバンドを観ましたが、こんな狭かったんだっけというのが第一印象。  開演前の会場では アイリッシュダンスミュージックが流れ、小さな

Nicole '86 Spring and Summer Collection/深町純

「ニコル」の86年春夏コレクション用に制作された作品。 当時のDCブランドは、百貨店の1Fに売り場ができ(今だとヴィトンやシャネルなどのラグジュアリーブランドがある場所)一部のトンがった人たちのファッションから、マス化していたころなので、売り上げ的に一番高かったと思われ、このような贅沢なお金の使い方ができた時代でした。  この作品もショーを見に来た招待客やプレスに配られただけで、販売はされなかったようです。 プロデュース松田光弘とクレジット。 それが深町純の幻の作品として、プ

Johnny Cash at San Quentin

Johnny Cash をリアルタイムで聞いたのは、Rick Rubin プロデュースによるAmerican recording からの作品、すでに晩年。アメリカ音楽の巨人の一人なのに、その全盛期は知りませんでした。カントリーという音楽のイメージから、(顔は怖くて、ドスの効いた声だけど)あまりインパクトのある印象もなかっですが、彼のキャリアを映画(Walk the Line)やドキュメンタリーで知ると、注目されることによる極度のプレッシャーやドラック渦など 当時のロックスター

「Yesterday」Directed By Danny Boyle

全く売れないインド系イギリス人のSSWが、世界的な停電中に起きた交通事故に遭い、目覚めた世界は 誰もビートルズを知らない世界だった。というアイデア倒れになりそうなストーリ―でしたが、さすが「トレインスポッティンティング」や「スラムドッグミリオネア」の監督であり、ロンドンオリンピックの開会式の芸術監督を務めたダニー・ボイル。リチャード・カーティス(「ノッテイング・ヒルの恋人」「ブリジット・ジョーンズの日記」)の脚本もさすがで、イギリスの若者の日常とエンターテイメント性の両方が楽