マガジンのカバー画像

Music

103
運営しているクリエイター

2020年2月の記事一覧

アイルランド人監督John Carneyの2015年作「シング・ストリート 未来へのうた」

「ONCE ダブリンの街角で」で ストーリート・シンガーとチェコ系移民のラブスト―リーとバンドが音楽を作り上げる過程が重ね合わさった素晴らしい映画を製作したアイルランド人監督John Carneyの2015年作「シング・ストリート 未来へのうた」のサントラ。男子高校生が女の子の気を引くためバンドを結成するところから、友達がイギリスに渡る別離までを描く映画ですが、80年代真っただ中で、自分の時代と重なり、まだ幼顔のくせに思いっきり背伸びしてカッコつけたダサいファッションとニュー

Spinetta を味わう。

僕より2、3歳下の世代は、 「Straight No Chaser」の後ろに載っている有名DJのプレイリストを見ながら 日々 エサ箱を掘っていた友人が多くいますが、相当のコレクターになった後 皆さん 言い出すことは 「池田さん やっぱり スピネッタですよ!」とコピーをくれたのがきっかけでアルゼンチンの至宝を聞き出したのですが、名前はよく買えるし オリジナルアナログは 激高出しということで 見つけるごとに CDを買い揃えていました。そんな人気も反映してか 数年前からアナログが再

A Tree With Roots/Fairport Convention & Friends-The Songs Of Bob Dylan

ライナーによると。。。 友人との休日で見つけたジュークボックスでお金が無くなるまで、57回も「She Belongs To Me」をかけたRichard Thompson, Dylan のアルバムのBob とSusie よろしくガールフレンドと手を組み街を歩いたAshley Hutchings,あの1966年のRoyal Albert HallのDylanのライブチケットを取るため、徹夜で並んだSimon Nichol。そんな3人が中心になって結成されたFairport Co

Eddie Reader at Club Quattro

よく 日本に来てくれる彼女ですが ライブはここで観たFaitport Attraction の来日以来なので30年も前になります。2曲目から会場のすべての人が知っているだろうPerfect 。途中で Hound Dog も飛び出して 大盛り上がり。それぞれ曲の紹介をしてから歌ってくれるわけですが、全て 彼女の国の文化や 家族の話 で そこがまたスコテッシュな感じで和みます。もちろん脇には Boo Hewerdine。The Bible 大好きの僕としては 彼がコーラスつけるだ

Bryan Ferry Japan Tour 2019

しょっぱなから「The Main Thing 」「Slave To Love」「Don‘t Stop The Dance 」と来られ あっという間に彼のスレイブになってしまったわけですが 声もそれほど出ず クネクネとした踊りも減り年齢を感じるとはいえ彼のステージ上でのシルエットが あまりにもスタイリッシュでした。白髪のリーゼント Chris Spedding の無骨なギターも十分堪能。サックス、ヴァイオリンが女性と 音楽界のラグジュアリーブランドの面目躍如。「Do The S

「木ですら涙を流すのです」/Japanese Folk and Rock 1969-1973

最近 日本の環境音楽やCity Popなど 気になる和モノのコンピを米Light in the attic からのリリース。 日本人が関わり(ピーターバラカン,ジム オルークのクレジットも)正式に日本のレコード会社から権利を取得しての発売らしく、西岡たかしの曲からとったタイトルからして 西欧人にはあまりなさそうな擬人化した日本的言葉。ジャケットもイラストレーター北沢平祐による昭和的な版画風。盤はマーブル、ロゴはURCを模しており、各曲を収録したアルバムの写真と解説に和英の歌詞

1977 The Punk Broke

鞄を持った男/マーク・ゴールデンバーグ

 近年、清水靖晃(サントリーのCM)の作品がヨーロッパで再発されたり、日高敏文(東京ラブストーリー)のコンピレーションが“Music From Memory “で発売されたりと、80年代の日本のアンビエントやCM,TV番組の音楽が世界で注目されていますが、改めて聴いてみるとその品の良い緩さが今の時代に心地良いのかもしれません。  こちらは、加藤和彦の「ヴェネツィア」にも参加したマーク・ゴールドバーグの85年に日本のみで発売された作品。サントリー・ローヤルのCMシリーズの音楽も

Marc Almond の10年ぶりの来日公演。Billboard Live TOKYO 2020.02.15.

昔 エイト・ビート・ギャグを愛読し、ツバキ・ハウスで踊っていたと思しき女性ファンの「黄色い歓声」で登場。当時の背徳的でデカダンなイメージとは裏腹に大変フレンドリーに愛想を振りまく彼は 昭和のアイドル(例えば 城ミチル)の往年のファンとの交流を思わせながらショーがスタート。 彼の特徴と言えるフラメンコからの引用でムードを盛り上げながら 「運命」を朗々と歌い上げる歌唱は健在。ジャック・ブレルの「行かないで」や当時 本人と共演したジーン・ピットニーの「Something's Got

Bedsit Disco Queen /SOLO: songs and collaborations 1982 -2015 Tracy Thorn 「安アパートのディスコクィ―ン」トレーシー・ソーン自伝

読了しました。 彼女は僕と同い年ということもあり、イギリスと日本とでタイムラグがあったとは言え、パンクやニューウエーブの動きに触発されて、バンドを始めたり、共通の好みがある友人を見つけるのに苦労したりと 当時の新しい動きに対して芽生えた感情など驚くほど同じ記憶が蘇り、自分ごとのように彼女の回想を読み進めました。 ベン・ワットとは、大学入学時に知り合い、マリファナの匂いが漂う彼の部屋で聴いたのがJohn Martin の「Solid Air 」だったり、ベンは当時からJoy D