『生きづらさにまみれて』を読んで
姫野桂さんのエッセイ【生きづらさにまみれて】
私がこの本を手に取ったのは、元々姫野さんのファンということもあるが、彼女自身の『生きづらさ』を語った本というのが気になったというのが大きいかもしれない。
私は、無条件に作家、や小説家といった、表現を仕事にしている人を尊敬している節がある。それは、私が『表現』することが好きでありながら、それを仕事にするまでの技術が伴っていない事実があるからと思っている。
推しの作家さんは何人かいるが、この中で姫野さんは作家というよりはライターとして名を見ることが多く、私の推しの中では異色かもしれない。けれど、私は彼女の書く文章が好きなんだなあ…と、改めてこの本を読んで感じた。
前作の本も読んできたが、【発達障がい】というトピックに関して、自身の経験や意見ではなく、たくさんの方々の経験や意見、ライフハックを書いているのが個人的に好きだなと思っていた。この、曖昧な障がいを説明している本や、自身の経験からくる個人的なライフハックを提唱している本は多いが、彼女の本はたくさんの人からの取材を元に作られている。そのため、どんな仕事をしてきている人なのか、どんな辛さを抱えうる障がいなのかがよくわかった。多様性が叫ばれるこの世の中だが、自身の身近な所以外では、やはり具体的な生きづらさまで想像できないことが多い。ましてや、風俗に関すること、ギャンブル関すること等、【裏の世界】と称されかねない世界のことはもう完全にお手上げだ。
だからこそ、そんなことをライターとして発信している姫野さんは尊敬しているのだと思う。私の知らない世界を見せてくれる。
さて、そんな感じで私の推し作家となった姫野さんだが、今までのように、たくさんの人の取材を元に作られた作品ではなく、自身のことを書いたエッセイを発売するという。これはもう、買うしかない。と思った。Twitter等を見ていても、なかなか濃い経歴をお持ちの方なのかな…とは薄々感じていたので尚更だ。
とりあえず、表紙がもう可愛い。
黄色を基調とした表紙にポップな女性の絵。まるで、不思議の国のアリスがウサギを追って穴に落ちて行くような、そんな絵だと思った。そのなかに、4Lの焼酎ボトルがあったり、薬があったりと、彼女の生きづらさを象徴しているのかな、と思われる描写もあるなあ…と感じていた。
読んでみて、とりあえず一番印象に残った(と言うより笑ってしまった)のは36ページだ。(印象に残りすぎてページ番号まで覚えていた)
なんとなくだが、わかる。
私も、推しの顔の綺麗な芸能人に男性特有のモノはついていてほしくないかもしれない。
そして、恋愛の難しさも感じた。なかなか、上手くいかないものなのだなあ…と感じてしまった。Twitterに好きな人(しかも付き合っていた人)の結婚を匂わせる発言が出てくるってどんな拷問だ。
もう1つ、印象に残っているのは自殺未遂に関する記述だ。
実は、その時期Twitterでそれらをほのめかすツイートを見ていて、いてもたってもいられなくなり、衝動的に姫野さんにDMを送ってしまったのだ。
(姫野さん、その節は本当にすみません。驚かれたと思います)
本を読んでも思ったが、躁鬱というのはかなり厄介だな、と感じた。今まで気楽に話していたのに、次の瞬間死にたくなったりする。まるで、崖っぷちを命綱なしで歩いているようだ。
同時に、私の今のコミュニティや、知り合った方々にも同様のことがあり得るのだな、と怖くなった。(発達関係の方々と繋がりが多く、躁鬱の方も友人にいらっしゃる)あまりにも、『死』が近い人たちが身近にたくさんいる。
中には、リアルで合うよりもTwitterで会うしかない方々も多く、そんな方は、私が全く知らぬ間にいなくなってしまう可能性もあるのだな、と思ってしまった。
とにかく、無事でよかったです。。。
あまり書きすぎるとネタバレが多くなってしまうので、気になる人は是非本を買ってほしいです。はい。私と語りましょう。
女性男性の生きづらさに関しても詳細に書いてあって興味深かった。私の知らない世界のことも書いてあり、そこでの生きづらさに関しても凄く納得してしまう。そして、かなり波瀾万丈な人生を送っておられると思う。それこそ、自殺未遂をしてしまうくらい、生きづらさも抱えている。
けれど、姫野さんはそんな自己の分析をしっかりとできる方だと思っている。だから、自分が『やばい!』と感じたら誰かに助けを求めたり、調節をしたり、自分が少しでも生きやすくなるような工夫をしているように感じた。それは、素直に凄いことだと思う。
私とは全く違う世界に暮らしている姫野桂さん。これからも、ライターとして、作家として活躍していくこと願っています。小説とか発売されたら是非読みたい。
長くなりましたが以上です。
私が推しを語っただけの文章。
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