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フェミニズムの勉強を始めたい方へ、私からの推し本を。(入門編)

最近、何かと話題のフェミニズムって結局なに?
と、少ーしでも興味を持ってくれた方と、私はぜひとも一緒に勉強していきたいんです!!!

そこで、今日はフェミニズムを勉強してみたい!という方に向けて、私から、「この本面白いよ!」というのを紹介できればと思います。

はじめに

今、学生の人なんかであれば学習の機会は比較的身近にあるかもしれません。大学で授業を取ってみることが可能です。しかし、フェミニズムが授業としてしっかり準備されている大学もたくさんあるわけではないですよね。

それに、授業を取る機会がないような人であれば、ネットや本を使って自力で勉強せざるを得ませんよね。
しかし、ネットで「フェミニズム」なんて検索しても、堅苦しいwikipediaやアンチフェミニストの人たちのブログや、近年のフェミニズムの動向を記事にしたものが上位に出てきます。
どれも前提知識なしで理解するのも、自分の意見を持つことも難しいんじゃないのかな〜と思うものばかりです。実際に、私も「フェミニズムについて勉強したい!」と思った時にどんな本から手をつけていいのかわからなくて苦労しました。

そこで、まだまだ私もフェミニストのひよっこですが、これまで読んで勉強になったな〜!という本を紹介することで、少しでもフェミニズムに興味が湧いた人のお力になれないかな〜と思いnoteを書くことにしました。

紹介する本は、基本的に自分でも読んだことのあるものを中心に紹介していきたいと思います。ただ、かなり長くなりそうなので、複数回に分けて書いていきたいと思います。今回はフェミニズムの入門として紹介したい本をまとめます。

私のフェミニズムに対する持論

「本を紹介します!」といったくせに前置きが長いですよね。
すみません。 

ただ、今回紹介する本たちは、一般的には時として他の学問領域に括られるであろうものまで含みます。というのも、ここには私のフェミニズムに対する持論があるからです。

「こんな本も関係あるのか?」という疑問が湧く人がいたら、その答えになるように、私のフェミニズムに対する持論を簡単に書いてから、本の紹介に入りたいと思います。

私は、フェミニストをセクシスト(性差別主義、性差別を容認する人)の反意語と解釈します。そして、フェミニズムは、性を理由にしたあらゆる差別や被害をなくし、個人の差異を尊重できる社会を目指すための学問だと思っています。 

ということは、フェミニズムの根っこは、”性”にあるのではないかと思うんです。だから、フェミズムを学ぶということは、複数の学問領域のまたがる”性”にまつわる問題を網羅的に、体系的に取り扱うことと等しいでしょう。

”性”が関係する学問領域はかなり広いです。社会学、宗教学、言語学、歴史学、政治学、法学、経済学、経営学、教育学、哲学、心理学、医学、生物学など挙げればキリがありません。人が関わる学問には、必ずフェミニズムがつきまとうと言い換えることも可能かもしれません。

私も手付かずな領域ももちろんたくさんあります。だから、きっと私は永遠にfeminist in progressです。それでも、多面的に学ぶことが必要な理由は、一つの学問から切り取っただけでは、食事と一緒で偏りが出てきてしまうからです。偏った知識と思考は、想像力を凝り固まらせてしまうし、柔軟に意見を取り込むことを難しくさせてしまうと思うんです。
そうならないように、少しずつ色んな分野を齧っていくことが大事だ!というのが私の信念です。なので、このフェミニズム本紹介シリーズでは、他の学問領域にまたがるような本も紹介していきたいと思っています。

今後の投稿記事の内容(仮)

1. 入門編:導入として比較的読みやすいライトな本
2. 歴史編:フェミニズムの歴史が学べる本
3.フェミニズム編:学問分野として「フェミニズム」や「女性学」に括られるだろう、王道かつ内容が少し専門的な本
4. ジェンダー編:ジェンダー論として括られるであろう本
5.性教育編:性教育にまつわる本
6.変わり種編:他の学問に括られるんでは?という本をざっと紹介

もしかしたら、順番やタイトル等は変更するかも、、、ですが、こんな感じで本の紹介ができればと思っています。

では、いよいよ中身に移りましょう!!(長くなりました〜汗)

入門編

82年生まれ、キム・ジヨン

表紙や名前はうっすら知っている!という人も多いだろう本作。
韓国で出版されたフェミニズム小説なのですが、日本や台湾など各国で翻訳され、すでに100万部を突破するベストセラーとなった言わずとしれた名作です。

「キム・ジヨン」という一人の女性のカルテという設定で、ストーリは進んでいきます。読んでいるとわかるのですが、これは本当にフィクションなのか?と思うくらい、現実の一人の人生を垣間見たような気分になります。

この中で描かれる異性との関わりや、”性”故に生まれる悩みは、多くの読者に共感を呼んできた理由がよくわかります。

「フェミニズムとはなんぞや?という問いの答えを探す前に、自分のこれまでを振り返って、”性”のせいで生きづらかったことってない?それに気づくところがフェミニズムを知るためのスタートだよ。」と声をかけてくるような小説です。

三つ編み

こちらは、フランスの小説。フランスでも100万部突破の作品で、日本でも書店で売り切れが多発すると噂の小説。

この小説の主人公は、インド、イタリア、カナダで暮らす3人の女性です。
インド北部の村に住む不可触民でスカヴェンジャーという仕事に付くスミタ、イタリアのパレルモで家族経営の毛髪加工工房で働くジュリア、カナダ・モントリオールのエリート弁護士サラ。

スカヴェンジャーというのは、素手で排泄物をバスケットに集めて、処分のために運び出す作業に従事している人のことだそうです。この小説を読んで初めてこんな仕事があることを知りました。

やはり、インドのカースト制やスミタが従事する仕事の強烈な印象に引っ張られるのですが、ジュリアやサラが直面する葛藤や悩みや苦しみも痛いほどよくわかります。

その3人が、”髪”で繋がって、たくましく生きていく姿に、エンパワーメントされます。
本書で、筆者は「闘うべきは、男性でない。まず、闘うのは社会だ。」と述べているのですが、境遇も人種も違う3人が抱える問題を描くことで、フェミニズムは決して女尊男卑の思想ではないんだということが優しくも強く伝わってくる作品でした。

「ほとんどない」ことにされている側から見た社会の話を。

「ほとんどない」ことにされている、性被害にあった女性について書かれたコラムのような本です。

内容はすごく重みのある内容で、データを引き合いに出したり、法律について触れていたりするのですが、書き方が軽いので、なにせ読みやすいです! 

だからこそ、ハッとさせられる内容ばかりでした。性に関する多様な問題を可視化しないことで、ないことにしている日本の法や警察、メディア、個人。「全部、一度足を止めて、そこから排除されてる人は本当にいないか考えてみようよ。」と筆者から声をかけられているような本でした。

現代の日本が抱えるジェンダーに絡む問題・話題が広く書かれているので、フェミニズムの入門書としておすすめです。

男も女もみんなフェミニストでなきゃ

TEDトークで話題になったスピーチを、翻訳し出版したものになります。 スピーチはここから見ていただけます。

最近の日本では、フェミニストはシス女性で、その敵は男性だ!!みたいなぶつかり合いの方が目につきます。 

でも、私が冒頭でも書いた通り、フェミニズムはみんなのもので、フェミニズムが浸透することは地続きで男性やLGBTQの人たちにとっても生きやすい社会になると信じています。 

なので、この本は「最近の日本のフェミニズムってなんか過激で怖い、、、」みたいな印象を抱く人にこそ読んでもらいたい一冊です。

世界を変えた100人の女の子の話

この本は、Kickstarterというアメリカのクラウドファンディング史上、最高額の資金を集め、世界36カ国で出版された話題の本です。

科学、政治、芸術、経済、文学など色んな分野で活躍してきた女性たちを紹介した一冊。彼女たちの活動やたくましさに背中を押されます。

少なくとも日本では、伝記の多くが男性のものです。小学生の頃の図書館の伝記の棚を思い出してください。きっと思い浮かぶのは、多くが男性ではないでしょうか。女性を挙げろと言われても、思いつくのはマザーテレサやヘレンケラー、キュリー夫人くらいじゃないでしょうか。

でも、この本を開けば、彼らに負けず劣らず世界に影響を与えた多くの女性が登場します。その内容がいいというのは言うまでもないのですが、世界中のアーティストが手がけたというイラストもすごく素敵ですよ。

【合わせて読みたい】
『世界を変えた50人の女性科学者たち』

Black Box

日本の#MeToo 運動を率いて多くの声を引き寄せたのは、間違いなく伊藤詩織さんの力が大きかったでしょう。

この本は、ジャーナリストを目指していた伊藤詩織さんが実際に体験した性被害と、性被害に立ち向かうと決めてから何度もぶつかった”ブラックボックス”について書かれています。

ただ、この本は「私は、こんな被害に遭いました。知ってください。」という本ではなくて、「このブラックボックスは問題でしょ?被害者が何度も苦しい思いをしないために、今何を改善するべきなのか。」が書かれた本です。

性犯罪に関する捜査の実態や、法律の課題などが学べる1冊です。

余談ですが、この本の後に、『「ほとんどない」ことにされている側から見た社会の話を。』を読んでみるのをオススメします。
『「ほとんどない」ことにされている側から見た社会の話を。』の筆者である小川たまかさんが、伊藤詩織さんについて書かれているんです。その伊藤さんが、『Black Box』の伊藤詩織さんとはギャップがあって、より伊藤さんが大好きになるような内容だったので、よければ是非に。

最後に

今回は、小説やコラムといった比較的ライトな文体の本を紹介しました。次回は、歴史編としてフェミニズムの歴史が勉強できる本を紹介したいと思います。(ちょっといつになるのかはわかりませんが、、、)

他にも、この本もいいと思う!みたいなものがあれば、ぜひ教えてください!!加筆修正いたします!!

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