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どうしてもミュージアムを巡りたい!〜栃木・福島旅行記〜

 2022年8月、栃木県、福島県に旅行に行った。栃木県、福島県というとまず何を思い浮かべるだろうか。温泉、避暑地、いちご、ラーメン…。どれも楽しめそうだが、これらは一度置いておいて、今回の旅の中ではミュージアムや史跡をメインに巡った。いまこのレポを読んでいるあなたが、それぞれの施設に興味を持つきっかけになればうれしく思う。

那須テディベア・ミュージアム

那須テディベア・ミュージアム
ふわふわのネコバスは乗り込んで写真撮影をすることができる

 まず紹介したいのが、栃木県那須町にある那須テディベア・ミュージアムだ。駐車場から美術館入口へ向かう道では、たくさんの『となりのトトロ』のキャラクターやテディベアたちが出迎えてくれる。1階では、アンティークのテディベアから、現代のアーティストが制作したものまで、多種多様なテディベアたちが展示されている。自分好みのテディベアを探しながら展示を見てまわるのがおすすめだ。ジオラマの中でポーズをとっているテディベアたちを見ていると、今にも自分の意志で動き出しそうに感じられる。2階に上がると、『となりのトトロ』をテーマに制作されたぬいぐるみ作品を見たり、リアルなネコバスに乗り込んで写真撮影をしたりすることができる。天井にまでぬいぐるみの展示がされているので、忘れずに見上げてほしい。

館内に入る前から『となりのトトロ』のキャラクターが出迎えてくれる

那須芦野・石の美術館STONE PLAZA

 次に、同じ那須町の那須芦野・石の美術館STONE PLAZAを紹介する。建築家の隈研吾氏が設計を手がけており、小さな建物を移動しながら石にまつわる物を鑑賞する美術館だ。茶室や石蔵を改装した部屋、さまざまな石を集めた部屋など、「石」を題材としながら建物ごとに異なる学びを得ることができる。外の光が透ける部屋では、石越しに透ける光を見るというあまりない体験をすることもできる。展示室間の移動の際に毎回外に出る必要があり、基本的に外気と近い気温の中で鑑賞することになるため、夏や冬に訪れる場合は適度な休憩をとりながら回るのがおすすめだ。

諸橋近代美術館

敷地内に美しい池や川が広がっている諸橋近代美術館

 福島県では、まず北塩原村の諸橋近代美術館を紹介したい。ここはサルバドール・ダリの作品を多く所蔵している美術館で、絵画の中に迷い込んだかのような美しい建物と庭園がとても印象的だ。訪れたときは、「コレクションをめぐる6つの部屋『ルームス』」展が開催されていた。特筆すべきは、高校生以下を対象としたイベントが同時開催されていた点だ。展示エリアの入り口付近には缶バッジが入ったカプセルトイが設置されており、高校生以下の来館者のみ1回無料で回すことができる。出てきた缶バッジには館内の絵画作品のいずれかがデザインされており、記念に持ち帰ることができるほか、絵探し遊びをしながら展示を回ることができる。美術館に一緒に訪れた4歳のいとこは芸術作品にはまだ興味がないのだが、絵探し遊びに夢中になって丁寧に作品を見ながら展示室内を歩いていた。ダリが制作に携わった短編映画の公開や、アーティストのスキャンダラスなエピソードを新聞風にまとめたフリーペーパーの配布など見応えのある企画展示はもちろんのこと、敷地内の芝がダリのトレードマークであるひげの形に刈り込まれていたり、ミュージアムカフェでは作品をテーマにしたドリンクを販売していたりと、遊び心も忘れない素敵な美術館だった。

シャガールをイメージした期間限定ドリンク。上に乗っている蝶の飾りも食べることができた
ダリのトレードマークであるひげの形に刈り込まれた芝


小峰城跡

三重櫓

 最後に紹介するのは、福島県白河市にある小峰城跡だ。メインとなる三重櫓の見学では、周辺の景色を最上階から望むことができるほか、慶応4年(1868年)の戊辰戦争白河口の戦い当時のままの銃弾跡が残った木で再建した柱や、攻めてきた敵を上から攻撃するために床に開けられた穴といった戦の痕跡を間近で見ることができる。天守ではなく三重櫓ということでやや小ぶりな建物ではあるのだが、その中で当時の生々しい戦の痕跡をいくつも見つけることができるので、過去に想いを馳せながら見学するのもいいのではないだろうか。

三重櫓の中の様子

 都心部に住んでいるとなかなか訪れることの少ない地域だが、どこも新たな発見や体験をすることができる施設だ。もし近くへ行く機会があれば、訪れてみてはいかがだろうか。その際は上から下まで周囲を見回すことを忘れずに。そこに新たな発見があるかもしれない。

文・撮影=相馬采奈

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