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Dynamic Linksのサービス終了 / Adjustのディープリンクについて


今回のテーマ

FirebaseのDynamic linksが2025 年 8 月 25 日に廃止されるということで、広告計測ソリューションであるAdjustのディープリンクに関するウェビナーに参加しました。

Firebaseの機能と比較して同じことが基本できるという事でした。
紹介されていた主な機能は以下です。

Adjustのディープリンクでできる事

  • 通常のディープリンク

    • 発行したリンクにカスタムURLスキームを付加してアプリ内の任意のコンテンツを起動する

  • 未インストール時の遷移

    • 端末にアプリがインストールされていない場合はアプリストアに遷移させる

    • もしくはウェブサイトの任意のページにリダイレクトさせる

  • 遅延ディープリンク(ディファードディープリンクと呼ぶらしい)

    • ディープリンク経由でアプリをインストールし起動した後に、(チュートリアルの後などに)任意のコンテンツを起動する

  • 短縮URL

    • 発行したリンクを短縮URL化する

    • リンクのドメイン部分を独自ドメインにできる

    • 新機能で順次提供中とのこと

ディープリンクとは?

みなさんが普段、スマートフォンでインターネットやアプリ利用をする時に、URLにアクセスしたらアプリが自動で立ち上がった事があるかと思います。

例えば、SNSで投稿されたAmazonの商品ページURLをタップしたら、Amazonアプリが起動してその商品画面が開く動作です。
フローで表すとこんな感じになります。

生い立ち的なお話

カスタムURLスキーム

古くは10世代以上前のiOSで、カスタムURLスキームという機能が登場してアプリにWebサイトの様な住所の様な情報を持たせられるようになりました。

例:
appname://

Webサイトだとhttps://から始まりますが、例でいうと「appname」という名前をアプリ側で設定しておいてブラウザなどでそのURLへアクセスすればアプリを起動できる機能です。

スラッシュの後ろにパラメータをつける事で起動した後に予め定義したルールで指定した画面を開くこともできます。

例:
appname://products?id=777

これはアプリ側でproductsのパラメータでアクセスされたら商品ページへ遷移させて商品IDが777番の商品を読み込む、というルールで実装しておくことで実現できます。

Universal Links

その後、iOSでUniversal Linksという機能が追加され、特定のURLアクセス時にアプリがインストールされていればカスタムURLスキームでアプリを起動、インストールされていなければストアまたはWebサイトへ遷移という事ができるようになりました。

AndroidはApp Linksという類似の機能がありますが、仕組みが異なる事や自前で作り込む手間もあり、開発者側が対応しやすいようにFirebase Dynamic Linksというサービスが登場しました。

Firebase Dynamic Linksを使う事で、仕組みを全て自前で作る必要が無くなり、アプリ個別に実装が必要な部分だけ開発すれば良くなった、という事ですね。

個人的に気になった事

Firebaseでカバーしている機能面はAdjustでも実現できるのはわかりましたが、冒頭であげた「短縮URL」ができるかどうかが移管させるタイミングとしてポイントだなと思いました。

Dynamic LinkはアプリストアへのアクセスURL、ウェブサイトのアクセスURL、アプリ起動用のURLスキーム、各種パラメーターなど色々な文字列がくっついて構成されています。

これを短縮化して初めてSNSに投稿されている様な短いURLでシェアができるので、短縮化前のURLだと長くて見栄えが悪いです。

ウェビナーの中で短縮URLの正式導入時期は触れなかったですが、すでに一部向けに提供は始まっているとのことだったのでFirebaseのDynamic Linksが利用できる内には一般提供は始まるとは思います。

まとめ

(せっかくなので仕組みの概要的なところにも触れつつ)
FirebaseのDynamic Linksのサービス終了に伴う、移行先として有力なAdjustのディープリンクについてご紹介しました。

SNSなど外部サービスからシームレスにアプリにアクセスしてもらうにはDynamic Linksは欠かせない機能だと思いますので、これから導入や移管を検討されている方の参考になれば幸いです。


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